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体育授業にゲートボール 横浜・星槎高、多世代交流に一役

話題 神奈川新聞  2019年04月29日 21:20

くぬぎ会のメンバーに教わりながらショットする生徒ら=星槎高校グラウンド
くぬぎ会のメンバーに教わりながらショットする生徒ら=星槎高校グラウンド

 若者には縁遠いと思われがちなゲートボールを、体育の授業に取り入れようとしている高校がある。星槎高(横浜市旭区)は、若葉台団地(同)にある老人会「くぬぎ会」のゲートボールサークルとの交流をきっかけに、5月以降の体育の授業に導入。スポーツを通じた多世代交流が地域で始まる。

 「プレイボール」。2月の澄んだ青空の下、同会メンバーが務める審判の声が同校グラウンドに響き渡った。同会の70代から80代のメンバーから成るチームと同校有志の生徒で結成されたチームによる初対戦が実現した。

 両チーム5人ずつ順番にショットし、「惜しい」「ナイスショット」と歓声が上がる。同会メンバーが熟練された技を披露したかと思えば、生徒も初心者らしからぬショットで食らいつく。不慣れな学生に同会メンバーが打ち方のこつを教えたり、生徒同士が真剣に作戦を練ったりする一幕も。経験と若さがせめぎ合い最後まで拮抗(きっこう)した試合は12対11で同校が勝利し、試合後は握手し健闘をたたえ合った。参加した生徒らは「仲間と助け合いながらプレーするのが楽しい」「ボールに当たった瞬間が気持ちいい」などと語った。

 「かつて団地内のゲートボールチームは10チームあった」。同会ゲートボールサークル代表の薪田和代さん(74)は、35年前の入居当初を振り返る。当時は団地内で大会が組まれていたが、住人の高齢化や趣味の多様化が進み、チームが減少。数年前からは同会だけになり、地域では試合ができなくなった。

 「地域でもっと交流したい」という同会の思いを知った「日本ゲートボール連合」(東京都港区)が昨年9月に同校に交流を打診したところ、同校は「生徒にとっても世代を超えた交流は良い経験」と快諾。12月には同会メンバーを講師に招き特別授業を実施した。

 相手チームとの駆け引きやチームワークが求められるゲーム性ゆえ、生徒らは自然と声を掛け合うようになっていった。「授業の前後では生徒の顔つきが全然違う」という体育教諭と「今後も続けたい」という生徒の声に応え、同校は授業への導入を決定。2月には同連合からゲートボール用具が贈られ、記念試合が行われた。

 「ゲートボールの魅力を若い世代に伝えられるのはうれしい。私たちもパワーをもらえる」と蒔田さん。今後も授業での指導など継続的な交流を願った。同校教頭の垣内麻由美さんは「地域の方が教育に携わってもらえるのはありがたい。交流によって子どもたちの心は豊かに育まれる」と期待を寄せている。


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