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進化示した全力162球 向上・飯田投手 高校野球神奈川大会第12日

高校野球 神奈川新聞  2017年07月24日 13:26

6回裏二死満塁のピンチをしのぎ、ガッツポーズする向上の飯田=バッティングパレス相石ひらつか
6回裏二死満塁のピンチをしのぎ、ガッツポーズする向上の飯田=バッティングパレス相石ひらつか

 最後は渾身(こんしん)のストレートだった。延長十一回無死一、三塁。向上のエース飯田の162球目は無情にも中前にはじき返された。「2年半、終わっちゃったな」。マウンド上でもう動けなかった。

 186センチの大型右腕。140キロ超を両コーナーに投げ分け、スライダーも鋭い。味方のミスが絡んだ延長十回無死二塁も外角直球で押し切った。3連続コールド勝ちの強敵から11三振、2失点と堂々たる投球を見せた。

 3月の春季地区予選でも東海大相模を相手に先発したが、コールド負け。平田隆康監督(42)に甘さを見透かされ、徹底的な走り込みを命じられた。今大会直前まで練習試合にも出してもらえなかった。

 「何度も辞めたいと思った」。弱気な虫が何度も顔をのぞいたが、約2カ月間を耐え抜き、強くなった。指揮官は「男らしくなった。ベストピッチング。勝たせてあげたかった」と涙ぐんだ。

 3年前の決勝では0-13と相手にならなかった名門に、最後まで立ちふさがった背番号1。部員140人の思いを背負い、チームスローガンの「オールアウト」を体現した。「悔しいけど楽しかった」。全てを出し切った夏だった。


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