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基地アーカイブ(2006年7月、2007年11月)
米国の基地を歩く(4)飛行訓練、苦情に押され適地探し

社会 神奈川新聞  2019年04月11日 06:00

オシアナ基地のFA18戦闘攻撃機=2013年4月、米バージニア州
オシアナ基地のFA18戦闘攻撃機=2013年4月、米バージニア州

 2012年4月6日の金曜、オシアナ基地の滑走路から離陸したばかりの戦闘攻撃機FA18ホーネットが、上空で火を噴いた。

 機体は基地近くのアパートに突っ込んで炎上した。住人は留守にしていた。2人の乗員も脱出して無事だった。

 「フライデー・ミラクル」(金曜日の奇跡)-。犠牲者の出なかった事故を、地元ではそう表現したという。その後の調査で、原因は「エンジンが故障し、燃料が漏れて引火した」と報告された。

 基地司令官ロバート・ガイス大佐は「非常にまれな事故。人為的な原因ではなかった」と説明する。「地元と基地は以前から良好な関係を保ってきている。事故が悪影響を与えるとは考えていない」

 それでも、軍事飛行場が過密地にある危険性を事故が見せつけた事実は疑いようがない。
 
 連邦機関の「基地再編閉鎖委員会」(BRAC)は2005年、周辺開発に歯止めがかからない場合、基地を閉鎖すると勧告した。

 地元行政は、地域経済への悪影響が出かねないことに、懸念を募らせた。基地を維持したい海軍と歩調を合わせ、基地周辺の新規開発を規制するなどの対策を取っている。

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オシアナ基地周辺の騒音状況を記した地図=2013年4月、米バージニア州
オシアナ基地周辺の騒音状況を記した地図=2013年4月、米バージニア州

 だが限界もある。「勧告では土地の収用で周辺開発を防ぐよう求められたが、軍のためにそうした行為ができる権限は市にはない」。バージニアビーチのロバート・マティアス市政代行補佐が説明する。

 艦載機が空母甲板への離着陸を訓練する場所の選定も難題となってきた。過密化の進んだ基地周辺は、夜間の離着陸技術を磨く場所として適さないためだ。

 海軍は騒音軽減のため、艦載機の離着陸訓練を、オシアナから南西へ10キロ離れた森林の中にあるフェントレス補助飛行場で実施してきた。

 しかし、出力の大きいFA18E/F「スーパーホーネット」の配備計画に伴い、地元から反発が再燃する。軍はさらに南へ100キロ離れたノースカロライナ州の沼地に、新たな訓練施設を造る計画を固めた。「ここなら周辺開発はないだろう」とみたからだ。

 だが、今度は計画地が野生動物保護区に近かったことから、またも地元の反発を招き、滞り続けた。現地の環境団体関係者は、「対策を環境法令に適合させるよう指摘を受けたから、海軍の計画が遅れただけ。基地が迷惑施設であることに変わりはない」。軍は結局、計画を断念した。

 広がる市街地に押し出される形で適地を軍が探し続ける米国の事情。周辺の都市化が進み、過密地となっても、なお動かない日本の在日米軍基地との隔たりは大きい。


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