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統一地方選2019
「条例でヘイト根絶を」 川崎市議選

選挙 神奈川新聞  2019年04月10日 05:00

一堂に会した当選者とともに証書を受け取る後藤氏(左)=市役所
一堂に会した当選者とともに証書を受け取る後藤氏(左)=市役所

 投じられた票以上の重みを感じていた。川崎市議選の当選証書付与式が行われた9日、共産党新人の後藤真左美氏は「市民みんなの代表として頑張っていく」と表情を引き締めた。支持者だけでも有権者だけでもない「みんなの代表」-。地元川崎区で横行するヘイトスピーチと対峙(たいじ)する中で見定めた、果たすべき役割がその胸に刻まれている。

 九つの議席を現職7、元職1、新人5の計13人で争った川崎区で7番目となる6151票を得た。「ヘイトスピーチと闘っている人たちの励ましがツイッターで全国から届いていた。その思いにも応えられて、本当に良かった」。ヘイト対策を巡り、全国的に注目される自治体で議員になる重責を改めて感じている。

 在日コリアンの排斥を叫ぶヘイトデモが川崎区で始まったのは2013年5月のこと。「共に生きる人間としてどう振る舞うかの問題だった」。県議選や市議補選の候補者、畑野君枝衆院議員の秘書を務めながら、デモや街宣に差別主義者が集うたび、地域の党員や市議らと抗議のアピールに立ち続けた。

 3歳で父を亡くし、母は在日コリアンが経営する焼き肉店で働き、後藤氏を育てた。「経済的に苦しい中、支え合い、励まし合って生きてきた。ヘイトを許せるはずがなかった」

 迎えた市議選。多くの外国人が暮らす桜本で第一声を行った。ハンドマイクを手に同区池上町にも向かった。差別主義者の支援を受ける無所属候補の陣営は同町の在日市民の「退去」を掲げていた。「参政権もなく言いたい放題に言われて本当に怖い思いをしているに違いない。皆さんが安心して暮らせるよう頑張るから大丈夫だと伝えたかった」。守られるべき人権に国籍や民族の違いが持ち込まれてよいはずがない。外国人市民を含む当たり前の「みんなの代表」には差別の醜悪さを知るからこその強い思いが込められている。

 ヘイトの抗議に立つ姿を動画で撮影され、インターネット上で誹謗(ひぼう)中傷されるなど、差別主義者の悪辣(あくらつ)さも身をもって知る。市が成立を目指す差別根絶条例の議論に加わることになる。「市民が受けている被害に寄り添い、そのひどさを伝える役目がある。実効性のある条例にしてヘイトスピーチを根絶していきたい」

60人に当選証書

 当選者60人が会した当選証書付与式では市選挙管理委員会の野口邦彦委員長があいさつ。「皆さんは、安心して心豊かに暮らせるまちづくりを願う市民の期待を担って当選した。より良い市政、区政のために活躍を願う」とエールを送った。

 60人中最長となる9期目の当選を果たした雨笠裕治氏は「毎回気分一新、身が引き締まる思い。新人も多く、新しい視点が加わって行われる論戦が楽しみだ」と話していた。


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