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時代の正体
選挙ヘイト住民に深手 川崎市議選川崎区

社会 神奈川新聞  2019年04月07日 00:30

「もう来させないで」在日コリアン

【時代の正体取材班=石橋 学】満開の桜の下、地域の老若男女が憩う川崎市川崎区桜本の桜川公園。のどかな景色とは裏腹に張り詰めた空気が漂う。「彼らが来たのでは」。最後の訴えに走る選挙カーに耳をそばだてた。極右政治団体「日本第一党」最高顧問の瀬戸弘幸氏ら差別主義者の支援を受け、市議選に立候補した佐久間吾一氏。選挙戦最終日の6日まで住民の心と共生のまちに深い傷を刻み続けた。
 
 演説の予告に、家にこもって耳をふさいだ在日1世のハルモニがいた。駅前の演説に行き当たり、子どもに走って逃げるよう告げなければならなかった母親がいた。「早く選挙が終わってほしい」。多くの外国人が暮らすまちとって候補者の存在自体が脅威だった。
 
 具体的な恐怖だった。陣営は在日住民の「退去」を掲げ、同区池上町で第一声を行った。非難にさらされるのは当然だった。抗議の声を上げた多くは日本人だったが、瀬戸氏は「朝鮮人の妨害」とねじ曲げ、差別と憎悪をあおる材料にした。
 
 陣営の谷地中忠彦氏は男性につかみかかり、引き倒した。市PTA連絡協議会の役員も務めた人物の暴力がたがの外れぶりを物語った。瀬戸氏から金をもらい、ヘイト街宣に抗議する市民、とりわけ在日コリアンを動画で撮影し、犯罪者であるかのようなテロップを付けネット上にさらしてきた。「選挙妨害は法律違反だ」。公選法に守られているという思い上がりも重なり、差別は容易に暴力にエスカレートした。


地域住民の手でポスターが掲げられた桜川公園 =川崎市川崎区
地域住民の手でポスターが掲げられた桜川公園 =川崎市川崎区

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