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圧倒的な空海ワールド 東京国立博物館「東寺展」

カルチャー 神奈川新聞  2019年04月01日 15:27

 中国・唐で密教を学んだ空海(774~835年)が真言密教の根本道場として運営した京都の東寺に伝わる経典や仏像などの文化財を紹介する「国宝・東寺 空海と仏像曼荼羅(まんだら)」展が、東京・上野の東京国立博物館で開催中だ。同寺の講堂に安置された21体の仏像のうち15体が並び、空海がつくり上げた立体曼荼羅の世界を体感できる。

 空海は密教を求めて31歳で中国に渡り、2年の修行を経て帰国。823年に嵯峨天皇から東寺を下賜された。「密教は奥深く、言葉で理解することは無理だ」と考え、絵画や仏像というイメージを用いることで人々の理解を促した。

 同寺の講堂に並ぶ21体の仏像は、仏の世界を示す曼荼羅を立体的に体現したものだ。大日如来を中心に五仏、五菩薩(ぼさつ)、五大明王(みょうおう)、梵天(ぼんてん)、帝釈天(たいしゃくてん)、四天王が細長い講堂に配置されたさまは圧巻だ。

 会場には15体が並び、講堂の厳粛な雰囲気を再現。仏像の間を通って鑑賞ができ、国宝の11体は360度全方位から眺められる。

 同館の丸山士郎特別展室長は「われわれ俗人でもお堂に入ると密教の怪しげな雰囲気を感じるので、造形の力はすごい。会場ではそこまでは再現できていないかもしれないが、整然とした曼荼羅らしい感じが出せたのではないか」と話す。

 4体の明王像は平安時代に作られたもの。奇妙な手の形は、密教ならではの印を結んでいるためで、密教に特有の仏像だ。降三世(ごうざんぜ)明王が踏みつけているのは、異教の神々だ。

 「菩薩像は、精悍(せいかん)なスポーツマンのような体つきをしている。それまでの仏像にはない特徴で、空海が中国から持ち帰った曼荼羅に描かれていた姿を取り入れたのだろう」

 丸山室長が「日本一、怖い顔」と言う四天王像は、持国天と増長天を展示。


日本一のイケメン仏像として人気の「帝釈天騎象像」
日本一のイケメン仏像として人気の「帝釈天騎象像」

 来場者も撮影可能なのが、仏像界のイケメンとして人気が高い「帝釈天騎象像(きぞうぞう)」だ。ゆったりと象に乗った姿で、武器である金剛杵(こんごうしょ)を手に持つ仏法の守護者。品のいい、きりっとした面差しだ。

 「空海が持ち帰った絵画表現と、日本で培われた伝統が融合してできたのが21体の仏像。空海が伝えたかった密教の雰囲気を、会場でも味わってもらえればと思う」と丸山室長。

 他に、三筆の一人として能書家だった空海の書を堪能できる「風信帖(ふうしんじょう)」(5月19日まで展示)や、現存最古の巨大な彩色曼荼羅図「両界曼荼羅図」(4月23日~5月6日展示)、秘儀「後七日御修法(ごしちにちみしほ)」が行われる堂内の再現展示など、見どころが多い。



 6月2日まで。4月1、29日と5月6日を除く月曜と5月7日休館。一般1600円、大学生1200円、高校生900円。問い合わせはハローダイヤル03(5777)8600。


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