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統一地方選2019・注目区を行く
【県議選横浜市栄区選挙区】もつれる「代理戦争」

選挙 神奈川新聞  2019年04月01日 05:00

写真右から、楠氏、田村氏、角田氏
写真右から、楠氏、田村氏、角田氏

 複雑にねじれた支援の構図が、情勢の混乱に拍車を掛ける。1議席を巡る激戦が展開されている県議選の横浜市栄区選挙区。無所属の現職・楠梨恵子、立憲民主党の新人・田村雅俊、自民党の新人・角田宏子の3氏がつばぜり合いを演じる傍らには、2017年の衆院選で死闘を繰り広げた国会議員らの姿がある。市議選候補も絡んだ「代理戦争」の行方は、最後までもつれそうだ。


2期8年の実績を語る楠氏(左)と浅尾氏=横浜市栄区
2期8年の実績を語る楠氏(左)と浅尾氏=横浜市栄区

 「無所属でも仕事はできると実感した」。11年は「みんなの党」、15年は同党の流れをくむ地域政党の公認で当選した楠氏。今回は保守系無所属として挑戦するが、これまで同様に元衆院議員の浅尾慶一郎氏との連携は変わらない。街頭では「8年間進めてきたことをさらに前進させる」と3選に力を込める。

 現職に挑む田村氏は「草の根民主主義を大切にしたい」と、立民の看板を前面に掲げて反自民の受け皿をアピール。告示日の出陣式には同党の早稲田夕季氏(衆院4区)が駆け付け、「何でも数の力に頼る横暴な政治をいつまで続けるのか」と声を張り上げた。選挙ポスターも2人並んで支援を呼び掛ける。


聴衆に支持を訴える立憲民主党の田村氏(右)と早稲田氏=JR本郷台駅前
聴衆に支持を訴える立憲民主党の田村氏(右)と早稲田氏=JR本郷台駅前

 一方、地元市議を2期務めた角田氏は「敵は誰でもない。自分という人間が認められるようにしたい」と強調。自民の政党支持率の高さや有名弁士投入で浸透を図る一方、陣営の引き締めにも余念がない。同党の山本朋広氏(衆院比例南関東)や市議候補と肩を並べ、国県市の連携による政策推進をアピールする。


そろって浸透を図る自民党の角田氏(左)と山本氏=JR本郷台駅前
そろって浸透を図る自民党の角田氏(左)と山本氏=JR本郷台駅前

 駅前の風景は衆院4区(横浜市栄区、鎌倉、逗子市、葉山町)の激戦を想起させる代理戦争だ。17年の衆院選で自民の公認を争った山本氏と浅尾氏による保守分裂の対決に、野党側は4区を制した早稲田氏が攻勢を仕掛ける。

 これに輪を掛けて混迷ぶりを際立たせているのが、栄区の市議候補の動向だ。国民民主党の現職が楠氏の支援に回り、前回自民で当選した現職も楠氏と近い関係を保つ。さらに無所属で当選を重ねてきた現職が自民から出馬するなど、複雑に入り組んだ構図が大混戦の様相を呈しているのだ。

 浅尾氏は自民の二階派に所属。楠氏との関係は旧みんなで共に戦った「今までと変わらない」と説明するが、自民サイドからは「自民の公認がほしいなら、党勢拡大に貢献すべきではないか」との声が上がる。

 一方、市議選に出馬している国民の現職は連合傘下の労組の組織内候補。旧民進党では早稲田氏と行動を共にしており、連合票の行方も不透明になっている。

 「反党行為だ」「自分の票を稼ぐためなら何でもあり」…。各陣営から批判が飛び交う。選挙戦の中盤に向けて混沌(こんとん)とした状況が続く中、次期衆院選を見据えた駆け引きも熱を帯び始めている。



【表の読み方】
▽選挙区名、定数、立候補者数▽「氏名」欄は氏名、ふりがな、投票日現在の満年齢、所属党派、現職・元職・新人の別、丸数字は当選回数▽「略歴」欄は代表的な職業・役職(カッコ内は主な経歴)、出身学校、現住所-の順▽党派の略称は自=自民党、立=立憲民主党、国=国民民主党、公=公明党、共=共産党、維=日本維新の会、由=自由党、希=希望の党、社=社民党、ネ=神奈川ネットワーク運動、諸=その他の政治団体、無=無所属。


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