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ヨコスカと空母・第3部
原子力空母(5)「現実を直視」市長、配備容認を表明

社会 神奈川新聞  2019年03月30日 17:45

 横須賀市長の蒲谷亮一は、原子力空母の安全性の確保を条件に、横須賀への配備を容認する姿勢に傾いていく。

 2006年5月の市議会では、「万一の事故を想定した原子力防災協定の締結」や、「原子力防災訓練への米軍の参加」、「基地内の放射能観測体制の強化」などを日米政府に求めていく姿勢を打ち出した。6月には、日米両政府が取り組むべき「最低必要条件」として、原子力災害に関する日米間の相互支援協定を結ぶことなどを、外務省に申し入れている。


市議会全員協議会の修了後、会見で説明する蒲谷市長=2006年6月、横須賀市役所
市議会全員協議会の修了後、会見で説明する蒲谷市長=2006年6月、横須賀市役所

 外務省幹部との面会後、蒲谷は強調した。「通常艦配備の可能性は薄く、ただ求めるだけでは市民の安全を確保する役目を果たせない。(原子力空母を)喜んで容認する人はほとんどいないし、私も容認したくてこういうことを言っているのではない。容認する、しないにかかわらず(日米政府が)原子力空母を配備するという以上、安全確保の措置は絶対必要。それをやらずに配備の話をしてほしくない」

 6月12日、外相の麻生太郎が直接、横須賀市役所を訪れる。

 麻生は日本政府として米原子力艦の安全性を保証する考えを示し、「原子力軍艦の安全性は確保されていると確信している。空母の安全性はほぼ百パーセントだ」と説明した。市が要請していた「原子力災害に関する日米間の相互支援協定」や「原子力防災訓練への米軍参加」についても、米政府と協議を始めていると明かした。

 麻生が直接、横須賀の説得に乗り出したことが、決め手になったのは間違いない。

 14日、横須賀市議会の全員協議会で、蒲谷は原子力空母の容認を正式に表明した。

 「麻生外相の発言は重く受け止める。通常型空母の可能性がゼロになった今、現実を直視し、原子力空母の入港もやむを得ないことと受け止め、市民の安全を守り、市民に不安を与えないように必要な体制整備を日米政府に求めたい」

 7月には、横須賀市と日米両政府、米海軍の間で、安全対策の協議が始まった。在日米海軍司令官のケリーは、「横須賀市と米軍は、きょうの天気のように良好な関係。このような(協議ができる)日が来てうれしい」と、終始笑顔を絶やさなかった。

 まだ態度を明確にしていなかった知事の松沢成文は8月、駐日米大使のトーマス・シーファーを、大使公邸に訪ねる。

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