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ヨコスカと空母・第3部
原子力空母(3)配備への地ならし、着々 「壁は厚い」

社会 神奈川新聞  2019年03月30日 17:34

 2005年10月29日、米ワシントンは米国時間で朝だった。日米の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)に先立つ朝食会で、米国防長官のドナルド・ラムズフェルドが、横須賀への原子力空母配備に触れ、「安全の責務はすべて果たす」と強調した。

 外相の町村信孝が答えた。「横須賀市長から(配備反対の)申し入れを受けた。地元は苦しい立場だ。理解を得るべく連携したい」

 11月には横須賀で、在日米海軍司令官に着任したばかりの少将ジェームズ・ケリーが、神奈川新聞のインタビューに応じている。

 「地元の意向は上層部で検討されたが、通常型空母は老朽化しており、新しい原子力空母は安全性が高い。能力を比較して今回の判断に至った」


神奈川新聞のインタビューに答えるケリー司令官=2005年11月、在日米海軍司令部(横須賀)
神奈川新聞のインタビューに答えるケリー司令官=2005年11月、在日米海軍司令部(横須賀)

 インタビューでケリーは、原子力空母の配備に理解を求めた。「地元の事情は理解しており、安全性について説明する場を設けたい」とも話した。

 ケリーは、それまで横須賀の空母機動部隊の指揮官を長年務め、軍では「カリスマ的な存在感」(在日米軍当局者)を誇っていた。いったんは離日が決まったものの、空母配備を巡る地元への説得役として白羽の矢が立った人事だったとされる。

 同じころ、訪米から帰国した知事の松沢は、防衛庁と外務省に抗議に乗り込んだ。

 「通常型空母の継続配備を求めるたびに外務省は『地元の意向を米側に伝える』と繰り返してきた。今回は突然の一方的な通知で、理解できない」

 内閣改造で町村から交代した外相の麻生太郎は「通常艦が退役して原子力空母だけになるので仕方ない」と答える。松沢は反論した。「安全性が保証できないのならば、まだ可能性の残る通常艦配備を国として求めるのは当然だ」

 だが米海軍は12月、キティホークの後継として、ニミッツ級の原子力空母「ジョージ・ワシントン」を横須賀に配備することを、正式に発表した。

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