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ヨコスカと空母・第3部
原子力空母(2)頭越しの決定「要望に添えなかった」

社会 神奈川新聞  2019年03月30日 17:25

 日米政府間では2005年の春から、在日米軍再編を巡る協議が本格化した。沖縄・普天間飛行場の機能移設や、キャンプ座間(座間、相模原市)の陸軍司令部改編、厚木基地(大和、綾瀬市)から岩国基地(山口県)への空母艦載機の移転などが焦点だった。

 原子力空母問題は元来、在日米軍再編構想には含まれていなかった。基地の再編を伴わずに、米軍の装備だけを入れ替える内容で、「安保条約の運用の範囲内」(外務省幹部)と位置づけられていたからだ。

 だがこの時期に、防衛施設庁長官の山中昭栄が、秘密裏に動いていた。「間に合うように予算の見積もりをしなければならない」。船体の大きい原子力空母も接岸できるよう、横須賀基地の12号バースを改修する案が検討される。ところが、米軍再編協議が大詰めを迎えた2005年夏、基地の地元に向けた情報公開のあり方をめぐって、防衛省と意見が対立した山中は、防衛施設庁長官の地位を更迭された。

 10月には日米の外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)を米国で開き、在日米軍再編の中間報告が取りまとめられる方向になっていた。

 このころ、日本政府に情報が届く。「キティホークの後継に原子力空母を配備することを、米側が公表したがっている」

 「まずいな…」。閣僚経験者は思った。全国で米軍基地の地元との難しい交渉が予想されていた中、問題が余計に複雑化するとの懸念が募ったからだ。事務方に、空母配備の発表を「少し(米軍に)待ってはもらえないのか」とも探りを入れたという。

 だが結局は米側の意向が通ることになった。日本の当局者は「このタイミングでの公表に米側がこだわり、押し切られた」と明かしている。米国防総省で日本部長を務めた米バンダービルト大のジェームズ・アワーは「横須賀に原子力関連の整備施設を建設するためには、(2008年予定の)退役前には2年ぐらいの準備が必要なはずだった」とみる。

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