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統一地方選2019
140万人、権利奪われ 県議選、最多13選挙区で無投票

選挙 神奈川新聞  2019年03月30日 05:00

 統一地方選の県議選が29日に告示され、全48選挙区のうち「無投票」が過去最多の13選挙区に上った。定数105の約2割に当たる20人が、審判を受けずに議員バッジを手にした格好。140万人超の有権者が1票を投じる権利を奪われた形で、専門家は「議会制民主主義の根底を揺るがす危機的状況」と警鐘を鳴らす。

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県議選で無投票になった選挙区
県議選で無投票になった選挙区

 「思いを訴えられず悔しい。4年間の活動で有権者に認めてもらいたい」。自民党の大村悠氏(27)は、初当選にも厳しい表情を崩さない。5期目を決めた立憲民主党の松崎淳氏(55)も「1日の選挙運動でいただいた声をきちんと受け止めたい」と支援者らに述べた。2回連続「無投票」の横浜市金沢区(定数2)。人口減や高齢化が深刻度を増す地域だが、選挙区内の権限や課題が限定的な「政令市選出県議」に名乗りを上げるケースは少ない。

 一方、40年ぶりに無投票となった大磯町・二宮町(同1)の池田東一郎氏(57)は「ほっとしている。選挙戦でも無投票でも価値は同じ」と支援者と万歳。足柄下(同)の高橋延幸氏(57)も「無投票は結果で、これまでの活動に引き続き取り組んでいく」と表情を引き締めた。


初当選を決め、支援者と握手をする大村氏=29日午後5時5分、横浜市金沢区
初当選を決め、支援者と握手をする大村氏=29日午後5時5分、横浜市金沢区

無投票当選が決まり万歳する池田東一郎氏(中央)=大磯町大磯
無投票当選が決まり万歳する池田東一郎氏(中央)=大磯町大磯

 無投票になった13選挙区のうち8選挙区は定数1で、大半は保守系の現職が議席を維持。定数2の3選挙区は、自民と立民が議席を分け合った。

 都市部でも鮮明になった地方議員のなり手不足。横浜市議選でも神奈川区(定数5)が、戦後初の無投票になった。とりわけ政党色の強い県議選では、「第三極」勢力の衰退や主要政党の議席固定化、出馬に伴う離職や選挙資金の負担-といった要因が指摘される。

 「選挙の洗礼を受けず議員になることは許せない」などと横浜市の南区や緑区で男性が出馬して選挙戦になったほか、野党も告示直前に新人を擁立して同市港北区の無投票を「阻止」した。しかし、有権者の5人に1人が投票機会を奪われた事実は重い。


当選が決まりあいさつする松崎氏(中央)=29日午後5時15分、横浜市金沢区
当選が決まりあいさつする松崎氏(中央)=29日午後5時15分、横浜市金沢区

無投票再選が決まり、支援者らと万歳する高橋延幸氏(中央右)=湯河原町土肥
無投票再選が決まり、支援者らと万歳する高橋延幸氏(中央右)=湯河原町土肥

 同市中区の自営業男性(64)は無投票を「極めて残念」としつつ、「県議は身近な存在ではない」と指摘。湯河原町で農業を営む男性(71)も「無投票だと政策論争が起きない。地域に停滞感が生まれる」と語った。

 県議選の低調ぶりを憂う声は現職県議からも上がる。自民の重鎮は「米中貿易摩擦や消費増税など国政には関心があっても、地元の問題になると一気に冷めてしまう」と述べ、続けた。「私たちも反省し、身近な政治や行政はどうあるべきか、県民に問いながら一緒に考える選挙にしなければならない」

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