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皇室が伝えた日本文化 名品、優品で振り返る

カルチャー 神奈川新聞  2019年03月28日 11:05

 天皇陛下の即位30年に当たる今年、皇室と美術の関わりを振り返る複数の展覧会が東京で開かれている。皇室が守り伝え、海外にも紹介してきた日本の伝統文化を、宮内庁をはじめ国内の数々の美術館、博物館が所蔵する名品、優品で堪能できる。

 上野の東京国立博物館では「両陛下と文化交流」展として、天皇、皇后両陛下が日本の伝統文化を守り伝えている様子を、宮内庁が所管する皇室ゆかりの絵画や彫刻、着物などを通して紹介している。

 同館の学芸研究部、今井敦調査研究課長は「両陛下は外国訪問の際に、日本文化を紹介するという重要な役割を果たされている」と話す。訪問に合わせて現地では展覧会が開催され、さまざまな日本の美術品が紹介されているという。

 江戸時代初期の絵師、岩佐又兵衛とその工房による「小栗判官絵巻」は、藤沢にも伝説が伝わる小栗判官と照手姫の悲恋を色鮮やかに描いた絵巻で、全総長が300メートル以上になる。旧岡山藩の家老が1895年、明治天皇に献上した。1998年の英国、2005年のノルウェー訪問の際、現地で展示された。

 初公開は1935年、天皇陛下2歳の誕生祝いに昭和天皇から贈られた振り袖。赤い地色に菊と竹、金糸の花菱亀甲繫文(つなぎもん)にツルという吉祥文様が鮮やかだ。31日まで展示。


多様な形のボンボニエールが並ぶ=泉屋博古館分館
多様な形のボンボニエールが並ぶ=泉屋博古館分館

 六本木の泉屋(せんおく)博古館(はくこかん)分館では「華ひらく皇室文化」展として、明治の宮廷を彩った洋食器やドレス、ボンボニエールなどを展示している。

 ボンボニエールは、皇室の慶事で引き出物として配布される小型の菓子器。ほとんどが銀製で、丸形や扇形、箱、動植物など多様な形があり、会場には約30点が並ぶ。

 学習院大学史料館の長佐古美奈子学芸員は「明治20年ごろから皇室でボンボニエールが配られるようになった。欧州で結婚や子どもが生まれるなどお祝いのときに配られていたもので、なぜ日本の皇室で取り入れられたかは、よく分かっていない」という。

 鳥かごや雅楽器といった手の込んだ意匠が多く「明治維新で職を失った刀剣金工師ら職人の技が生かせるように配慮したのだろう」と話した。同史料館でも同名の展覧会を開催し、さまざまな明治期の工芸品が並ぶ。

「華ひらく皇室文化」展
▶泉屋博古館分館
※5月10日まで。展示替えあり。祝日を除く月曜と4月16、30日、5月7日休館。一般800円ほか。問い合わせはハローダイヤル03(5777)8600。
▶学習院大学史料館(豊島区)
※5月18日まで。4月14日を除く日曜と4月30日、5月2日を除く祝日、5月1日休館。入場無料。問い合わせは同館☎03(5992)1173。

「両陛下と文化交流」展
▶東京国立博物館
※3月31日まで前期、4月2日から29日まで後期展示。3月25日を除く月曜休館。一般1100円ほか。問い合わせはハローダイヤル03(5777)8600。


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