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記者の視点=横須賀支社・佐藤百合(平成元年生まれ)
【平成に生まれて】(9)世代で逆転する保革

社会 神奈川新聞  2019年03月23日 11:08

国会前で「アベ政治を許さない」と書かれた紙を掲げる人たち =2015年11月
国会前で「アベ政治を許さない」と書かれた紙を掲げる人たち =2015年11月

 「アベ政治を許さない」

 2015年7月18日。国会前に、約5千人(主催者発表)が集まっていた。

 その2日前、安全保障関連法案が衆院本会議で、与党などの賛成多数で可決され、参院に送付された。

 強行採決も辞さない安倍政権に反対の意思を示すため、俳人・金子兜太さんが書いたメッセージのコピーが全国一斉に掲げられた。

 国民の怒りのうねりを肌で感じるため、記者3年目の私は、国会前に足を運んだ。

 参加者全員でコピーを掲げる少し前、1台の街宣車が近づいてきた。ゆっくりとした速度で通り過ぎながら、参加者に罵詈(ばり)雑言を浴びせた。

 その時、一緒に来た友人が私に質問した。

 「あの人たちは何?」

 その言葉に、驚き、言葉に詰まり、短く答えた。

 「右翼だよ」

 「あれが右翼なの? じゃあ、ここにいる人たちは左翼?」

 友人は不思議そうに質問を重ねた。

 「そう呼ぶ人もいるね」

 私はさらに戸惑い、歯切れ悪く答えた。

 右と左、保守と革新…。「政治の常識」とも言える、この政治的イデオロギーの分類が浸透していないと感じる経験はだが、初めてではなかった。

 どちらかと言えばリベラルな考えを持つ別の友人は、選挙で自民党に投票した。取材で自分より若い世代と話をしていても、保守や革新を踏まえて政党を評価しているようには思えなかった。

 いつからか、私の心の中に、ある疑念が生まれていた。「私たちの世代は、イデオロギーの分類を共有していないのではないか」

 確証はない。ただ実感としてはある。もしそうだとしたら、なぜこうしたことが起きるのか。

冷戦終結が境

 その疑問を解消するため、早稲田大学社会科学総合学術院の遠藤晶久准教授(40)を訪ねた。

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