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町民の火葬有料化「ノー」 愛川町議会が否決「負担増」

政治行政 神奈川新聞  2019年03月22日 20:05

火葬炉使用料の町民負担を巡って議論となった愛川町の町営斎場「愛川聖苑」=愛川町棚沢
火葬炉使用料の町民負担を巡って議論となった愛川町の町営斎場「愛川聖苑」=愛川町棚沢

 愛川町議会は22日、本会議を開き、町営斎場「愛川聖苑」(棚沢)の火葬炉使用料を町民も有料にする条例改正案を反対多数で否決した。条例議案が否決されたのは1955年から続く町政史上初めて。高齢化の進展で火葬炉使用の需要増が見込まれる中、持続的な行政サービスの提供に向け必要な使用料を得たい町側に対し、町民の経済的な負担増を疑問視する議会側が待ったをかけた。

 町側が提出していたのは町営斎場条例の一部改正案で火葬炉使用料を町民も含め全面有料化を図る内容。従来から町外在住者に設定している使用料の10分の1相当を町民にも負担してもらう計画で、12歳以上が1体8千円(町外在住者8万円)、12歳未満が1体5千円(同5万円)としていた。議案が可決されれば、7月から導入予定だった。

 町では、火葬炉の使用が今後増えていくことを見越し、施設の維持管理や受益者負担の観点から、火葬にかかる燃料代や電気代など必要最小限の使用料を求めたい考えだった。周辺自治体でも厚木市(市民で12歳以上、1万円)や相模原市(同、6千円)が有料であることも考慮した。

 同日の本会議では、反対討論として「まずは斎場の歳出削減などに取り組むべきだ。財政が厳しい時には負担を求めなければならないとも思うが、一般会計予算で歳入全体の収入も増えている中(町民の有料化は)必要がないと考える」(みらい絆・熊坂崇徳氏)、「受益者負担を全否定しないが、公民館や体育館と性質が異なる。町民で愛川聖苑を必要としない人はいない。人生の終焉を迎えるに際し、町民に感謝をお返しする最後の場でもある。これまで通り無料とするべきだ」(共産・鈴木信一氏)などの声が相次いだ。

 その一方で、有料化に賛成の立場から「経費の一部を受益者負担として有料にすべきと思う。火葬炉の経年劣化、稼働不能にならないよう有料化を機に万全の修繕管理を行ってもらいたい」(新風あいかわ・熊坂弘久氏)との指摘もあった。

 議長を除き採決に加わった出席議員14人のうち、有料化に反対が9人で賛成の5人を上回った。1人は病欠だった。

 本会議終了後、小野澤豊町長は神奈川新聞の取材に対し、「長期的な視点で持続可能な施設運営のため苦渋の決断だったが、値上がりが続く燃料代など最小限の経費だけでも負担してもらおうと考えた」と改正案の意図を説明。今後は「周知方法も含めさらに検討を重ねる」と述べるにとどめた。


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