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東京への道筋鮮明 男子飛び込み・リオ代表、坂井丞
【Roadto2020・KANAGAWA】進化求め高難度挑む 

スポーツ 神奈川新聞  2017年07月11日 16:50

初の五輪は予選22位。東京へ向けレベルアップを誓う坂井丞 =昨年8月、リオデジャネイロ
初の五輪は予選22位。東京へ向けレベルアップを誓う坂井丞 =昨年8月、リオデジャネイロ

 日本のエースダイバーへの道は世界との差を縮める旅だ。飛び込みのリオデジャネイロ五輪代表坂井丞(24)=ミキハウス。初出場のリオでは予選ではね返された。スケールアップを求め、再起を誓った夏から1年。14日に開幕する世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)で自らの現在地を確かめる。

 リオから東京への4年間を長期的なスパンで捉えることができるのは、五輪の経験がなせる技だろう。

 「いろいろと冷静に物事を見られるようになった。目の前の大会でちまちま、というのはなくなったかな」。当時23歳のホープにとって、切なくも、かけがえのない時間だった。

 2016年8月。東京への通過点と位置付けたリオは予選22位で終わった。「五輪が一番重要な試合だったし、テレビで見るような世界に立った」。高揚感の傍らには後悔の念がある。温めてきた「前宙返り4回半抱え型」(109C)を披露する前にプールを去った。

 「決勝で使おうと思ったけど、予選で落ちた。それでは意味がないということを学んだ」。出し惜しみをしていては本当の勝負の場には立てないと知った。
 




 踏み切りから入水までわずか2秒。飛び込みは一瞬で優劣が決まる競技だ。ただ、勝負はプールサイドに立つ前から始まっている。

 空中姿勢や入水などの精度に加え、選択した技の難易率によって得点が決まる。リオまでに低い難易率でも勝てると証明してきたが、大舞台では高難度の技を持たなければ他の選手の失敗待ちが前提となる。

 戦略という言葉を坂井は使う。「予選で準備をしていなかった時点で勝負は決まっていたかな」という109Cと407C「後ろ踏み切り前宙返り3回半抱え型」。表彰台に上がるためには、この二つの大技を決めてようやくスタートラインに立てる。

 世界水準への進化を求め、今は土台からつくり直す時期だ。「ここで無理してけがするわけにはいかない。万全の状態で戦わないと意味がない」と、6月の日本室内選手権では連覇が懸かる3メートル板飛び込みを棄権した。

 5月に体調を崩した影響もあったが、難易率を下げて臨めばあるいは優勝できたかもしれない。それでも、「今はトレーニングとか練習に励んで、世界水泳で確実に決められるように積み上げていかないと」。その一つが肉体改造だ。
 




 「高さでカバーできるくらいの跳躍力をつけないといけない。まずは板を沈めないと返ってこない」。そのために58キロという体重では、踏み切り板に伝える力はまだ弱い。

 トレーニングと食事を見直し、一時は61キロまで増量。「板が沈むようになって高くジャンプできるようになった。一方で回転力はそこまで衰えることはない」。方向性は間違いでないという手応えがある。

 出場5度目の世界選手権は、これまで背中を追い掛け、アドバイスをもらってきた第一人者、36歳の寺内健(ミキハウス)が不在の戦いだ。独り立ちの舞台でどれだけ戦えるか。今、意識すべきは勝敗よりも内容だ。次代のエースは虎視眈々(たんたん)と戦略を練る。


第一人者寺内(右)不在の世界選手権は、坂井にとって存在感を示す絶好の機会だ
第一人者寺内(右)不在の世界選手権は、坂井にとって存在感を示す絶好の機会だ


 「最後は東京五輪が勝負。そこに向けた(2年に1度の)世界選手権が大切。次(19年)は五輪の選考が懸かってくる。五輪を経験したからこそ作戦の立て方ができてくる」。挑戦と反省の先に待つ実り。東京への道筋は鮮明に描かれている。

 さかい・しょう 飛び込み・男子板飛び込み日本代表。ミキハウス所属。大野南中-渕野辺高(現麻布大付高)-日体大。世界選手権は2009年ローマから5大会連続の代表入りで、13年バルセロナ大会では3メートル板飛び込みで8位。初出場のリオデジャネイロ五輪では予選で22位に終わり、準決勝進出を逃した。昨秋は日本選手権を2年連続で制し、アジア選手権では2位に入った。171センチ、58キロ。相模原市南区出身。24歳。
 




 2020年東京五輪・パラリンピックを目指す神奈川ゆかりの選手を随時紹介します。


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