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鉄道好きの記者たちが綴るコラム
「前照灯」(294)惜別の尺別駅

社会 神奈川新聞  2019年03月22日 12:00

尺別に着く下り釧路行き普通列車は2両編成だった

 この3月、北海道の石炭に縁が深い鉄道や施設がいくつか消える。駆け足だが訪ねてみた。まずは根室本線の尺別(しゃくべつ)駅。帯広と釧路の間の小さな無人駅。JR北海道の2016年の資料によると利用者は1日1人以下。隣の直別(ちょくべつ)駅、花咲線の初田牛(はったうし)駅とともに、この15日に廃止された▼開業は1920(大正9)年。近くにあった尺別炭鉱の石炭を運び出す貨物駅としてのスタート。その後、旅客も扱い1959(昭和34)年度には年間10万人以上が利用した▼だが、エネルギー革命で石炭の利用は減り、1970(昭和45)年には、尺別炭鉱は閉山。翌年には貨物扱いをとりやめ、無人駅となっていた。訪ねたのは廃止の1週間ほど前。釧路発の1両編成の普通列車で1時間余の旅だった▼相対式ホームに跨線橋。海側に木造の小さな駅舎。周辺にいくつかの建物はあるが、住民らしい姿は全く見えない。鉄道ファンとおぼしきカメラを持った数人が、思い思いに記念撮影するくらい。20分後、逆方向の釧路行きで戻った▼実は私は尺別炭鉱を経営していた雄別炭鉱の町の出身。父から「尺別」の名前は聞いていたが、駅へ降りたのは今回が初めて。駅があるうちに来られたのは幸いだった。閉山からほぼ半世紀、ご苦労様でした。(a)


尺別駅のパノラマ画像。列車が去った後、数人が駅や周辺の写真を撮っていた

釧路発芽室行きの1両編成の普通列車は、尺別駅で鉄道ファンを降ろしたら、無人になった

相対式ホームに小さな駅舎があるだけの尺別駅。右に太平洋を望む

尺別、直別、初田牛の駅名が書かれた料金表

尺別駅と直別駅の缶バッジ。釧路市立博物館が作った

釧路市立博物館では、尺別駅と直別駅のミニ企画展も、4月7日まで行われている

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