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虐待「社会で検証を」 児童施設の映画上映、監督が講演

社会 神奈川新聞  2019年03月17日 05:00

地域で子どもたちと「伴走」するように生活する大切さについて話す重江監督=中原区の川崎市国際交流センター
地域で子どもたちと「伴走」するように生活する大切さについて話す重江監督=中原区の川崎市国際交流センター

 川崎市国際交流センター(中原区)で16日、多文化映画会が開かれ、大阪市西成区のNPO法人「こどもの里」に集う人々を追った映画「さとにきたらええやん」が上映され、重江良樹監督が講演した。

 日雇い労働者の街と呼ばれる釜ケ崎で約40年にわたって活動を続ける「こどもの里」は、乳幼児から20歳までの子どもを、障害や国籍の区別なく無料で受け入れている。

 映画は、釜ケ崎のおっちゃんらと一緒に運動会を楽しんだり、フリーマケットで大人顔負けのやりとりをしたりと、たくましい子どもたちの姿を描く。

 一方で、軽度の知的障害を抱えた男の子の悩みや、自身が幼いころに受けた虐待のトラウマから子育てに自信を持てず、愛しながらもわが子とうまく向き合えない親の姿や、里子として「こどもの里」に暮らしながら、母親のことを心配する少女の心の揺れなどを丹念に写し出している。

 重江監督は自身がボランティアとして「こどもの里」で5年間働いた後、2013年から2年間カメラを回した。「こどもの里はもとは学童保育だったが、子育てできない親に代わって里親家庭の役割も担うようになった。夜も働く親のために宿泊もでき、自立援助ホームでもある」と、子どもや親のニーズに応える中で、さまざまな制度を取り入れた経緯を語った。

 重江監督は「虐待事件などがあると報道も一過性で親への非難だけが大きく取り上げられる。何も支援を受けないまま大人になる人もおり、保護者がなぜ虐待に至ったのか、深く検証して社会全体で考えるようにしなければならないと思う」と述べ、「それが今後の映画制作のテーマでもある」と語った。


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