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平成の正体 第2部 分断と格差の経済史(3)
ツケ続ける政治と企業

時代の正体 神奈川新聞  2019年03月16日 09:20

国会前で市民が主催した「安倍政権の退陣を求めるデモ」でマイクを握り政権のありようを批判する経済学者の金子勝さん=2018年4月14日午後
国会前で市民が主催した「安倍政権の退陣を求めるデモ」でマイクを握り政権のありようを批判する経済学者の金子勝さん=2018年4月14日午後

【時代の正体取材班=田崎 基】金融に激震が走る。その構造的な異変を感じ取ったのは、平成期に入り間もない1995年のことだった。

 「地方の中小信用金庫がぱたりと倒産し始めたんです。何が起きているんだろうか、と。それが最初に気付いたきっかけでした」

 立教大学大学院特任教授で経済学者の金子勝さん(66)は当時を振り返る。

 東京・丸の内の本店、大手銀行に勤める知人を訪ね、聞いた。

 「すると、『詳しくは言えないが公開されている資料の未収利息を調べてみろ』と言われた。有価証券報告書などを探ると信じられないことに、その大手行だけで数十兆円規模の不良債権が隠されていた。これは大変なことが起きる。背筋が寒くなった」

 やがて、経済学者やアナリストの多くが戦後の日本経済の転換点と口をそろえる「1997年」を迎える。

 中堅の三洋証券が11月3日に倒産。17日には都市銀行の一角、北海道拓殖銀行が破綻。24日には4大証券の一つだった山一証券が自主廃業を決めた。

 金融マーケットを一気に信用不安が襲い連鎖的に中小の地銀も倒産、全国各地の金融機関には預金を引き出そうとする客が列をなす異常事態となった。

 日経平均が史上最高値をつけた1989年(平成元年)12月29日の大納会。平成はバブル絶頂期に始まり、直後からの30年間は転落と低迷の歴史だ。この間に破綻した銀行や信用金庫は180を超えるという。

 逐次投入された公的資金で生き残った金融機関も合併、統合を繰り返し、3メガバンク体制へと集約された。


景気対策偽り


 「あのとき、不良債権問題から目をそらし、政府も企業も景気対策でごまかし、ごまかされ続けた。世論は、保守もリベラルも、税金である公的資金を金融機関に注入することを猛反対したのです」

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