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修験者の道にロマン 起伏ある50キロ、18人がトレラン

話題 神奈川新聞  2019年03月13日 12:09

山間部の林道を走る参加者ら=厚木市七沢
山間部の林道を走る参加者ら=厚木市七沢

 明治初めまでの修験道として知られる愛川町の八菅山(はすげさん)から大山までの山道をトレイルランニング(トレラン)で体験する催しが9日、トレラン愛好者有志によって行われた。18人が参加し、距離約50キロ、累積標高差約4900メートルという極めて厳しいコースを13~15時間ほどかけて走破。かつて修行者が巡った道のりにロマンを感じながら汗を流した。

 トレランは、未舗装で起伏のある山道を走るスポーツ。トレラン愛好者でイベント業を営む佐藤圭介さん(32)=同町角田=が呼び掛け、「八菅修験道高速フィールドワーク」と名付けて2014年から毎年走っている。

 八菅山は明治初期まで修験道の本拠地。山中を何泊もして八菅山から大山に至る修行をしていたという。正確なコースは解明されていないが、修行箇所である30カ所の「行所(ぎょうしょ)」で修行し、「宿(しゅく)」と呼ばれる山中の宿泊地7カ所で泊まりながら歩くと考えられていた。

 だが、研究者の城川隆生さん(61)が古文書を調査した結果、江戸後期には宿の大半が崩壊して使えず、1カ所に連泊して周囲の行所を往復する方式に変わっていた、とする新説を打ち出している。

 佐藤さんは今年、この説も踏まえてトレランのコースを設定。午前2時から同5時ごろにかけて八菅山をスタートした。経ケ岳(633メートル)などを経て清川村煤ケ谷地区にいったん下ると再び山道へ。三峰山を経てまた、ふもとの厚木市七沢地区に下ってから大山山頂に登り返し、中腹の阿夫利神社下社に下るコースを走った。要所要所で、修験道の行所の解説も交えた。

 正午過ぎから休憩ポイントの七沢地区に到着した参加者らは、用意されたパンや飲料水などで栄養を補給。「昔の修験者もこのコースを歩いたと想像するとロマンを感じる」と話す人もいた。

 佐藤さんは「八菅山が修験道の拠点だったことは、地元でも詳しく知っている人は少ない。かつての修行コースをトレランのコースとして保全したり、一般の人も入りやすいようにできれば」と話していた。


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