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19年度分校化の北綱島支援校 
学び舎の思い出を共有

社会 神奈川新聞  2019年03月12日 15:00

卒業を控え、教職員や保護者らに祝福される中学部3年の加藤龍治さんと母の千春さん=横浜市港北区の市立北綱島特別支援学校
卒業を控え、教職員や保護者らに祝福される中学部3年の加藤龍治さんと母の千春さん=横浜市港北区の市立北綱島特別支援学校

 横浜市立肢体不自由特別支援学校の再編計画の一環として2019年度から上菅田特別支援学校(保土ケ谷区)の分校に移行される北綱島特別支援学校(港北区)で11日、卒業生の門出を祝う会がPTA主催で開かれた。在校生や教職員、保護者らと学び舎(や)での思い出を分かち合う場で、中学部を卒業する生徒の母親は「親元を離れての修学旅行が一番の思い出。自立に向けて一歩ずつ歩んでほしい」と思いを新たにした。


卒業祝いスライド上映


 卒業生は小学部5人、中学部8人、高等部6人の計19人。中学部3年の加藤龍治さん(15)の学校での様子を収めたスライド写真がスクリーンに映し出されると、母の千春さん(50)の目から涙があふれた。

 龍治さんは筋肉が徐々に衰える難病「筋ジストロフィー」患者で、知的障害は最重度の「A1」。たんの吸引や胃ろうなどの医療的ケアも必要だ。通院先が多く、体調面からも登校できるのは週2、3回ほどだが、仲良しの友達と手を触れ合うのが大好きという。

 千春さんにとって思い出深いのは、東京ディズニーシーへの1泊2日の修学旅行。親子4人での宿泊旅行の経験がない上に、龍治さんの体調急変の恐れから外出する機会も限られているからだ。親の付き添いなしで昨年10月に訪れた龍治さんは終始笑顔で、ハロウィーンで盛り上がる園内やメリーゴーラウンドを満喫した。


東京ディズニーシーへの修学旅行を楽しむ加藤龍治さん。卒業生の門出を祝う会で、スライド上映された=横浜市立北綱島特別支援学校
東京ディズニーシーへの修学旅行を楽しむ加藤龍治さん。卒業生の門出を祝う会で、スライド上映された=横浜市立北綱島特別支援学校

スライド上映の一コマ。プール遊びを楽しむ加藤龍治さん
スライド上映の一コマ。プール遊びを楽しむ加藤龍治さん

 千春さんは龍治さんを出産後、主治医から「4歳まで生きられるかどうか…」と言われ、「笑顔が絶えない日々を1日でも長く」との思いで過ごしてきた。そんな家族を不安に陥れたのは3年余り前、市教育委員会が北綱島の閉校計画を明らかにしたことが発端だった。保護者たちは「人口増の市北東部が支援学校の空白区域になる」として閉校撤回を求める運動を始め、千春さんも17年度にPTA会長としてその先頭に立った。


卒業式は16日に開かれる=横浜市立北綱島特別支援学校
卒業式は16日に開かれる=横浜市立北綱島特別支援学校

 学校への車での送迎、夜間介助の合間の計5時間ほどの細切れの睡眠…。龍治さんの体調に気を配りつつ再編問題に向き合った結果、会長職を担った1年で体重は7キロも減った。いまのままの学校としての存続を求める保護者らの意に反してなされる分校移行を前に、千春さんはそれでも前を向く。「元の学校に早く戻すよう訴え続けていきたい」


北綱島特別支援学校再編問題 
 横浜市教育委員会が15年9月に公表した計画では、五つある市立肢体不自由特別支援学校を増やさない前提で、児童生徒数が多い上菅田の過大規模化対策として19年度に左近山特別支援学校(同市旭区)を新設。手狭な北綱島は18年度末で閉校とし、別の支援学校に転校させるとしていた。その後、市教委が期限付き分教室案を提示するなど曲折をたどったが、期限の定めがない分校への移行条例案が18年2月の市会で可決された。


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