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「災害受援」の形見えず 態勢や調整機能に不安も

連載・企画 神奈川新聞  2019年03月11日 10:37

所属団体の垣根を越え、有志が集う「さくら会議」=2月16日、かながわ県民センター
所属団体の垣根を越え、有志が集う「さくら会議」=2月16日、かながわ県民センター

 「神奈川で連携態勢をどう構築していくのか」「連携の必要性があるとは誰でも言える。問題は誰がその中心を担うかだ」

 NPO法人「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク」(JVOAD)の栗田暢之代表理事が登壇者に迫った。

 さらに畳みかける。「平常時が長ければいいが、明日起こってしまったらやるしかない。熊本地震で300団体、九州北部豪雨では150団体が支援に入った」

 首都直下地震などで今後、神奈川が被災地となれば、支援団体を支える地元の「中間支援組織」による活動調整が不可欠になると栗田代表理事は強調した。「ネットワークができていなかったからばらばらでした、という話にはしたくないじゃありませんか」

 2月6日、かながわ県民センター(横浜市神奈川区)で開かれた災害支援のあり方を探るフォーラム。主な論点は、県外から支援を受け入れる「受援」の仕組み作りだった。

 JVOADは、東日本大震災の被災地に入ったNPOなどの連携が不足していた反省から、2016年に設立された組織だ。「支援の重複や漏れ、むらを防ごう」と、全国各地で日頃からの「顔の見える関係」づくりの旗を振る。

 フォーラム会場の県民センターは、災害ボランティアの活動調整や情報収集などを担う「災害救援ボランティア支援センター」が置かれる場所だ。

 運営は県だけでなく、県社会福祉協議会と県共同募金会、NPO法人「神奈川災害ボランティアネットワーク」(KSVN、河西英彦理事長)を加えた4者で当たる取り決めだが、実際に開設されたことはない。災害の時代だった「平成」を通じ、神奈川が大規模災害に見舞われてこなかったからだ。

特徴生かす

 「ボランティア元年」と呼ばれた1995年の阪神大震災を機に、全国に芽生えた災害支援の動き。その後、多発した災害の現場で「草の根」の存在感は増し、個人や団体、企業が被災地を支える流れが定着した。しかし、被災各地の経験を人口の多い神奈川に当てはめ、実際の場面を想定すると、ボランティアセンターを中心とした仕組みだけでは、支援の調整が難しいという声が強まってきた。

 にもかかわらず、担い手の固定化や高齢化が進み、団体やNPO同士の連携は必ずしも深まっていない。受援のノウハウも十分な蓄積がなく、受け入れ態勢や人材の確保には不安がつきまとう。

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