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かこさとしさん、初の詩集 「大人も親しんで」

話題 神奈川新聞  2019年03月04日 11:30

発刊される詩集と、基となった2冊の冊子を手にする鈴木さん(右)と亀津さん =藤沢市
発刊される詩集と、基となった2冊の冊子を手にする鈴木さん(右)と亀津さん =藤沢市

 藤沢市在住で昨年5月に亡くなった絵本作家かこさとしさん=享年(92)=の初の詩集「ありちゃん あいうえお」(講談社)が5日、発刊される。かこさんが生前、子どもたちのために創作したあそび唄と、孫の成長を見つめながら記した詩が収められた一冊だ。1日、同市内で記者会見が開かれ、長女の鈴木万里さん(61)は「お子さんたち、かつて子どもだった大人の皆さんにも親しんでいただけたら」と語った。

 「だるまちゃん」シリーズや科学絵本で知られるかこさんは、絵本の創作活動以外にも俳句や詩、文章を書くことを好み、日常から書き記していたという。

 詩集の基になったのは、これらの“未発表作品”をまとめた2冊の冊子だった。「ありちゃん あいうえお」「マゴマゴのうた」と表紙に記されたその2冊は、書斎の本棚に置かれていたという。


5日に発刊される詩集(手前左)と、その基となった「ありちゃん あいうえお」(同右)と「マゴマゴのうた」(奥)
5日に発刊される詩集(手前左)と、その基となった「ありちゃん あいうえお」(同右)と「マゴマゴのうた」(奥)

 前者には、言葉を覚え始めたばかりの子どもたちのために、50音ではなく、濁音と半濁音を加えた71音で創った「ことばあそび」の唄が、後者には、2人の孫の成長を言葉でつづった詩がそれぞれ記されていた。

 「ありちゃん」は昆虫のアリを意味する言葉。「子どもたちが最初に触れる小動物は昆虫。中でもアリは作品の主人公にしてしまうほど、かこにとっても、子どもにとっても身近な生き物だった」と鈴木さん。

 もう1冊の「マゴマゴ」については「自分の子どもは女の子だけだったかこは、初めての男の子2人に『マゴマゴ』しながらあやしたり、遊び相手になったりしていた」と祖父としての一面を明かした。

 〈たっくんは たからもの ばばとじじの たからもの みるくよくのむ たからもの〉
 〈さむい一月 よくねむり つめたい二月は おふろずき おっぱいよくのむ ひろちゃんは ボサボサ頭のソラマメちゃん おでこの張った おたふくちゃん〉


かこさとしさんが自身の手でまとめた冊子の裏には、2人の孫の似顔絵が描かれている
かこさとしさんが自身の手でまとめた冊子の裏には、2人の孫の似顔絵が描かれている

 かこさんが孫の成長を間近に見ながら創作したという詩は、優しいまなざしにあふれている。孫の亀津鴻(ひろき)さん(25)は「詩があるということを知らなかった。祖父の愛情を感じる」とほほ笑む。

 詩集出版の話が持ち上がったのは、かこさんが亡くなる直前の昨年4月。かこさんは照れながらも、うれしそうな笑顔を浮かべたという。

 鈴木さんは「詩集にある言葉の数々は、大人たちが子どもたちを見たときに共通して感じるものだと思う。お子さんからおじいちゃん、おばあちゃんまで、手にとって、楽しんでいただけたらうれしい」と話している。


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