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ドローンでサル撃退 農産物被害で相模原市と県が実験

政治行政 神奈川新聞  2019年03月04日 12:00

サルの群れがいる林の近くでドローンを離陸させる相模原市の職員ら =同市緑区寸沢嵐
サルの群れがいる林の近くでドローンを離陸させる相模原市の職員ら =同市緑区寸沢嵐

 農地などに出没して農産物に被害をもたらすサルの群れをドローンで追い払えるか。そんな試みに相模原市が県と手を組んで取り組んでいる。このほど同市緑区寸沢嵐などの山林で実験をスタート。サルが嫌がると考えられる猛禽(もうきん)類の鳴き声を出すドローンが群れの上空に近づくと、かなりの速度でサルたちがその場を離れるなどの効果が見られた。市は「今後も検証を続けたい」としている。

 実験では、同市津久井地域経済課と、県かながわ鳥獣被害対策支援センター(平塚市西八幡)が協力して実施。県が企業や大学の技術を組み合わせてロボットを最短期間で商品化する「神奈川版オープンイノベーション」の取り組みの一環として、明光電子(横浜市港北区)などが開発したドローンを使った。

 実験では、相模原市内や市周辺に生息する五つのサルの群れのうち「ダムサイト分裂群」と呼ばれる群れが、寸沢嵐の道志川周辺の住宅に近い林にいることを把握。群れには以前から、衛星利用測位システム(GPS)情報と電波を発する首輪を付けたサルがおり、これらの情報から群れの位置をタブレット端末で確認した後、職員らがドローンを離陸させた。

 群れがいる林の上空でドローンから「ピーッ、ピーッ」という鋭く高い猛禽類の鳴き声が響くと、しばらくして群れは道志川沿いなどを数百メートル移動。数分間の飛行だったものの、同センター職員は移動の速度について「ダッシュして走るような相当なスピードだ」と解説した。

 県の2017年度の農作物被害調査では、市内でのサルによる被害額は約262万円。鳥獣の種類別で最も多額になっている。

 市津久井地域経済課によると、大きな音の出る花火などで追い払いを試みているが、周辺住民から花火の音に苦情が出ることも。ドローンを使うことで大きな音を出さずに済んだり、人間が近寄りにくい場所の追い払いに活用できたり、といったメリットが期待されている。

 同課は「一定の効果はあったようだが、さらに引き続き検証が必要と思う。ドローンの利用が有効なら、農産物被害軽減につなげたい」としている。


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