1. ホーム
  2. カルチャー
  3. 「ガンクドラム」世界の心を結ぶ響き 奏者・高島さんの旅

「ガンクドラム」世界の心を結ぶ響き 奏者・高島さんの旅

カルチャー 神奈川新聞  2019年03月03日 20:26

ガンクドラムを演奏しながら世界を旅する高島さん=横須賀市内
ガンクドラムを演奏しながら世界を旅する高島さん=横須賀市内

 金属製の打楽器「ガンクドラム」を“相棒”に、世界を旅する男性がいる。滞在費を稼ぐために自己流で演奏したところ、優しい音色に魅了された人々が集まり、世界中で出会いが生まれた。今や奏者となった男性は「人との縁をくれたガンクドラムへの恩返しを込め、その音色の素晴らしさを多くの人に知ってもらいたい」と話している。

 2月4日。横須賀市内の居酒屋に、神秘的で柔らかい音が響いた。

 同市出身の高島賢太郎さん(32)が、直径30センチほどの金属製の円盤の打面をバチでたたく。カウンターでグラスを傾けていた客らが音の流れてくる方向に顔を向け、つぶやいた。「いい音だね」

 高島さんがガンクドラムの存在を知ったのは5年ほど前。短期で働いていた国内のホテルに売られているのを目にし、動画サイトで演奏方法や豊かな音色を知り、興味を持った。話を聞いた友人が、三重県の職人が製作したガンクドラムをプレゼントしてくれた。もともと予定していた台湾旅行に持って行くことにした。

 旅を愛する高島さんは滞在費用を稼ぐため、以前も西アフリカの民族楽器「アサラト」を街頭で演奏したことがあった。台湾でも、何とはなしに自己流でたたいてみた。街中に響く音。いつしか多くの聴衆に囲まれていた。さらに現地の寺院で演奏するよう頼まれた。

 マレーシア、アルバニア、フィリピン…。その後も旅した国々で、ガンクドラムを演奏すると、自然と人々が集まってきた。感涙する人や音の良さを必死にジェスチャーで伝えようとする人もいた。ジョージアを訪れた際には、同国出身で大相撲の大関栃ノ心の実家で奏でた。高島さんは栃ノ心のファン。母親と大関の勝利を願いながらたたき、本人ともテレビ電話を通じて交流したという。

 ガンクドラムは高島さんに人々とのつながりをもたらした。「単なる旅人ではなく、ガンクドラムを演奏する旅人として紹介されるようになって、楽器が自分の体の一部に思えるようになった」と高島さん。国籍や言葉の壁を簡単に越える相棒と共に、これからも旅を続ける考えだ。

 旅先で作曲したオリジナル曲などが収録されたCDも発売している。問い合わせは、高島さん(kentarotakashima@gmail.com)。


シェアする