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メディアはいま(2)
#metoo #youtoo 尊厳が守られる社会に

社会 神奈川新聞  2019年02月23日 02:00

性暴力やセクシュアルハラスメントの被害を告発する「#MeToo」運動は、日本でも広がっている
性暴力やセクシュアルハラスメントの被害を告発する「#MeToo」運動は、日本でも広がっている

 〈ハラスメント被害が繰り返されたり、被害を訴えることに高い壁がある社会ではあってほしくないと思います。すべての人の尊厳が守られ、働きやすい社会になることを祈っています〉

 昨年4月27日、財務省は女性記者へのセクシュアルハラスメント問題で事務次官を辞任した福田淳一氏についてセクハラ行為があったと認定、懲戒処分を科した。それに合わせ、テレビ朝日は被害を受けた女性記者のコメントを発表した。

 新聞社に勤務する30代の女性記者、林節子(仮名)さんはその言葉を記事で目にしたとき、胸が熱くなった。

 「すべての人の尊厳が守られ、働きやすい社会に。その言葉に深く共鳴した。同時に、かつて『自分が悪かったのかもしれない』と思っていたけれど、そうではなかったと思えた」

 脳裏には、自らを責めた「あの日」の記憶が鮮明によみがえっていた。

自らを責める


運動部時代に林さんが持っていた「東京運動記者クラブ会員証」。現場での取材は「いつも緊張したけれど楽しかった」という
運動部時代に林さんが持っていた「東京運動記者クラブ会員証」。現場での取材は「いつも緊張したけれど楽しかった」という

 10年ほど前、林さんはスポーツ取材の現場にいた。異動で別の部署に移ることが既に決まっており、東京都内で開催されたある競技の国際大会は、異動前の最後の取材だった。

 スポーツを主戦場にして以降、その競技はずっと担当していた。それだけに、国内トップクラスの選手が一堂に会する大会では、いつも以上に力が入っていたことを覚えている。

 取材の合間に関係者にあいさつをして回ると、ある男性コーチが「送別会をしよう」と声を掛けてきた。日本代表の合宿などで何度も顔を合わせていた指導者の一人だった。

 その日の午後8時ごろ。取材を終え、伝えられた居酒屋に着くと、男性コーチが1人で待っていた。

 「競技関係者と記者との懇親会などで、これまでも一緒に飲んだことがあったので、同じように誘ってくれたのだろうと思いました。ただ、何人か来るのかと思っていたらその人だけで…。二人きりという状況に少し不安はあったんですが、現場でよく話していたし、気兼ねなく話せる人だから大丈夫だろう、と飲み始めたんです」

 最初は競技の話をしていた。だが、1時間ほどたったころ、会話の途中で突然「今夜、君と大人の関係になりたい」と言われた。林さんは聞き間違いかと思ったという。

 「こちらが本気で捉えても相手が冗談のつもりだったら恥ずかしいなとか、いろいろなことを考えました」

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