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生活困窮者に住居提供 19年度から県、藤沢、平塚、鎌倉

政治行政 神奈川新聞  2019年03月03日 05:00

 県と藤沢、平塚、鎌倉の3市は、住居のない生活困窮者を対象に一定期間、住居や食事を無償で提供する「一時生活支援事業」を2019年度から共同でスタートする。生活困窮者自立支援法に基づく事業で、県内一般市としては初の取り組みとなる。自治体の担当者は「さまざまな背景を持つ困窮者に対して、迅速かつ効果的な支援ができるようになれば」と語る。

 同法は2015年4月に施行。事業は「必須」と「任意」に分かれ、必須事業は自治体が相談窓口を設け、相談者の状況に応じた支援計画を作成するほか、就職活動を支えるために家賃費用を有期で給付することが決められている。任意事業では、就労支援や家計管理の指導、子どもの学習支援などの仕組みがある。

 今回、県と3市が実施する「一時生活支援」は任意事業の一つで、他の事業に比べると緊急的な支援が求められている点が特徴。会社から解雇されて社宅を退去させられたり、離婚して行き先がなかったりと、さまざまな理由で突然住まいを失った人を対象に住居と食事を提供する。支援期間は通常3カ月だが、状況に応じて6カ月まで延長することもできる。

 県は19年度当初予算案に同事業費約760万円を計上。議会の承認が得られた後、ホームレス支援やシェルター運営を行う藤沢市内のNPO法人と委託契約を締結し、3市と事業実施に向けた協定を結ぶ予定だ。3市も当初予算案に同事業費として約160万~180万円をそれぞれ計上した。

 計画では、県と3市は協定に基づき、法人が運営する宿泊施設の一部、計5部屋(県3部屋、3市2部屋)を借り上げる。施設内では食事も提供される。地元自治体は、訪問による見守りや就職活動支援などを行う。

 藤沢市地域包括ケアシステム推進室は「住居を失った方は一つの自治体にとどまっているとは限らず、市単独として対応するのはなかなか難しい。県や近隣市と共同で行うことで広域的な支援につなげられれば」と期待する。

 県生活援護課は「地元自治体と協力することで、より適切な支援につなげられると考えている。3市との共同実施を機会に、他市にも同様の取り組みを広げていきたい」と話している。

 ◆生活困窮者自立支援制度 失業や病気、人間関係などの困難を抱え、経済的に困窮する人の生活再建を、地方自治体がそれぞれの状況に応じて支援する仕組み。生活保護の手前で支える狙いで2015年4月にスタートした。自治体は相談窓口を設け、一人一人の支援計画を作成。就労支援や子どもの学習支援のほか、就職活動を条件に家賃を支給する仕組みもある。県内は県(町村を所管)と19市が相談窓口を設置している。


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