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目の前に刃物、小3男児不登校 横浜市がいじめ2件を公表

政治行政 神奈川新聞  2019年03月02日 05:00

いじめ重大事態について説明する横浜市教育委員会の担当者=市役所
いじめ重大事態について説明する横浜市教育委員会の担当者=市役所

 横浜市教育委員会は1日、市立小学校2校で起きた、いじめ重大事態の調査報告書を公表した。いずれも当時、小学3年の男児と小学1年の女児。2人は現在も、登校できない状態が続いている。調査した委員会は二つの事案とも、学校側のいじめに対する理解不足や対応の遅さを指摘している。

 男児の調査は専門家主体の「市いじめ問題専門委員会」が担当した。

 男児は小2だった2013年度に県外から転入し、小3のころからいじめられた。同学年や上級生の男子6人から、バッタを顔に投げ付けられたり、ハサミの刃先を目の前に突き付けられたりするなどした。男児は小4の12月から不登校になり、登校を再開した時期もあったが、小6の欠席日数は約200日に達した。現在、中学1年。

 専門委は、学校側の、いじめに対する理解や教員間のコミュニケーション不足を指摘。保護者に対応を依頼されてから市教委に報告書を提出するまで、5カ月かかった点も問題視した。再発防止策として、転校児童へのきめ細かい対応や、いじめ防止に向けた組織的な指導などを挙げた。

 女児の事案は、校長や教務主任らに外部委員が加わった「市立学校いじめ防止対策委員会」が調査した。

 いじめは小1のころから始まり、同じクラスの男女6人から肩や頭をたたかれるなどした。

 対策委は、学校側がいじめと正式に認めたのが、最初のトラブルから1年以上たってからだったとし、児童と教員の受け止め方に差があり、教員が十分寄り添えていなかったと指摘。学校は再発防止に向けいじめの定義を再認識し、児童への理解を深められるよう教職員の能力を高めるとした。

 市教委が調査中のいじめ防止対策推進法に基づく重大事態は8件となった。

「納得いかない再調査を」

 当時、小1だった女児の母親が1日、神奈川新聞社の取材に応じ、「調査結果は納得がいかない」とし、市教委に再調査を求める考えを明らかにした。

 30代の母親によると、女児はいじめが始まった小1のころ、担任教諭に被害を再三、伝えた。だが担任教諭は「あなたにも理由があるのでは」などと相手にせず、女児は次第に言いにくくなった。母親に「先生からいじめられた」「大人が信じられない」と訴えるように。精神的にも不安定になり、小2から小3にかけての半年間、入院。退院後に登校を再開したものの、男児とのトラブルをきっかけに、再び登校できなくなった。

 母親は「学校が信頼できないのに、学校主体の調査になった。報告書に教員によるいじめも触れておらず、納得できない」とし、専門家主体の調査を求める考えを示した。


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