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地域に開かれた場へ 若葉町ウォーフ開館

横浜みなと新聞 神奈川新聞  2017年07月03日 11:41

若葉町ウォーフの劇場。演劇ユニット「IN EASY MOTION」のメンバーが稽古に励んでいた
若葉町ウォーフの劇場。演劇ユニット「IN EASY MOTION」のメンバーが稽古に励んでいた

 横浜の中心部にあり、商業地のにぎわいと下町っぽさを持つ若葉町(横浜市中区)に、芸術施設「若葉町ウォーフ」が誕生した。劇場や、誰でも利用できる宿泊施設を兼ね備え、演劇をはじめさまざまな作品を上演。さらに、地域に開かれた場としての機能も模索している。

 若葉町ウォーフの建物は、かつて地元商店会の金融機関だった築50年のビル。外観はほぼ当時のままだが、室内は白を基調とした明るい空間が広がる。

 1階は「少人数で、面白いものを楽に見てもらう」ことを目的にした43席の小劇場で、貸し出しも行う。2階には稽古もできるスタジオがあり、最上階の3階は最大で20人が泊まれる宿泊施設になっている。運営するのは、一般社団法人横浜若葉町計画。演劇関係者や地元のNPOなどで構成され、劇作家で演出家の佐藤信(まこと)さん(73)が代表理事を務める。

 佐藤さんは創作活動と併せ、芸術監督を務める座・高円寺(東京都)など、多くの公共劇場の立ち上げに関わった。その中で「自分の集大成という意味も含め、劇場をやりたい」と、数年前から場所を探していた。若葉町にひかれたのは、海外出身者も多く住み、多国籍で独特の雰囲気があったから。「街のたたずまいと、地元の商店会の人たちが造ったこの建物がふさわしいと思った」と話す。係留地を意味する「ウォーフ」には、人々が出会う場という思いを込めた。

 若葉町ウォーフの活動では、「四つの越境」を目指すという。

 一つは「ジャンル」。演劇にとどまらず、舞踊やそのほかのパフォーマンスなども広く上演する。二つ目は「伝統と現代」だ。


「いずれはここで自分の芝居もやりたい」と話す佐藤さん =横浜市中区
「いずれはここで自分の芝居もやりたい」と話す佐藤さん =横浜市中区


 さらに「世代」。若い世代は若い人の作品を、ベテランの世代は、やはり同世代の作品を見る傾向が強く、それを乗り越えたいという。最後は「国」。佐藤さん自身、演劇を通して中国や東南アジア諸国など、各国の人たちと長く交流してきた。この場所でも都市間交流を行っていく。海外からの訪問者が滞在するだけでなく、「近隣に住む若いアジアの芸術家にも利用してほしい。『若葉町』として海外と結びつきたい」と話す。

 作品を上演するだけでなく、アートと生活の間をつなぐ役割も果たしていく。


6月に開館した「若葉町ウォーフ」=横浜市中区
6月に開館した「若葉町ウォーフ」=横浜市中区


 公演のない日は、劇場を地域の子どもたちが遊べる場所として開放し、自由に出入りできるようにすることも予定している。「14歳ぐらいまでは、地域が『世界』。その時期までに、面白いことを提供できたら」と佐藤さん。週末に、テーマを決めてカフェを開くアイデアもある。「場所になじみ、『何をしているのか見に行こうよ』と思われるものになれば。町内のアートセンターになることが理想」と考えている。

 7月には、アーティストの森村泰昌さんのイベントなどが予定されている。「『若葉町でこんなことをしている』と言われるようなすごくとんがったことと、もっと気軽な形のもの。両極端な二つをやっていきたい」と佐藤さんは話す。

 詳細や問い合わせは、若葉町ウォーフのホームページ。


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