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外国人との共生模索へ 横浜でシンポ開催へ

カルチャー 神奈川新聞  2019年02月21日 11:12

 日本で学び、働く外国人が増えている。4月には改正入管難民法が施行され、今後5年間で34万人以上の来日が見込まれる。外国籍住民らの支援を続けるかながわ国際交流財団(葉山町)は「日本社会を支える大切な担い手として外国人と向き合わなければならない」と話す。24日には共生のあり方を考えるシンポジウムを横浜で開催予定だ。

 財団主催の「21世紀かながわ円卓会議」の一環で開くシンポのタイトルは「外国人政策と多文化社会の未来~かながわで共に生きていくために~」。鈴木江理子国士舘大教授が日本政府によるこれまでの受け入れ政策などを解説するほか、3人の専門家が「外国人市民代表者会議」などの川崎市の取り組みからみえる外国人の社会参加や、難民との地域交流、多文化共生教育といったそれぞれの活動事例を報告する。

 グローバリゼーションによって起こるさまざまな地域課題について討論し、解決の道筋を探る円卓会議は2年ごとにテーマを設定。本年度と来年度は「多文化共生」を軸に据えている。


「今現在日本で暮らす外国人の現状に目を向けなければならない」と話す水田秀子さん=横浜市神奈川区
「今現在日本で暮らす外国人の現状に目を向けなければならない」と話す水田秀子さん=横浜市神奈川区

 財団専務理事の水田秀子さんは「昨年の入管法の改正により報道が過熱したことで、地域に暮らす外国人への関心が高まった。外国人と共存する現実を足元から見つめ直すいい機会だと思った」と話す。

 国内には既に260万人以上の外国人が暮らしている。およそ21万人いる県内では2012年末から17年末までに約4万人が増加。コンビニエンスストアや飲食店などで働く外国人の姿も日常の光景で、水田さんは「さまざまなサービスや商品、生産に携わり共に社会を築いている」と強調する。

 「(外国人も)この社会を一緒に担う存在、ということを知ってほしい」と、財団で働くネパール人のジギャン・クマル・タパさん(39)も言う。受け入れの拡大は「日本に働きに来たいと望む外国人にとって一歩前進」と前置きしつつ、「今この地で暮らす外国人へのサポートが不十分。人を育てることをもっと重要視しないといけない」と指摘する。


「外国人は日本語が話せるだけでは意味がない。日本社会で目標を持って生きることが大切」と語る、来日して19年のジギャン・クマル・タパさん
「外国人は日本語が話せるだけでは意味がない。日本社会で目標を持って生きることが大切」と語る、来日して19年のジギャン・クマル・タパさん

 財団の職員が口をそろえるのは、日本語教育の不備だ。諸外国ではその国の言語や文化の学習機会を移民に対して公的に保障しているが、日本ではそのような制度がない。この社会における共通言語の日本語が不自由だと、地域で孤立したり進学で不利な状況に陥ったりと、直面する困難は大きい。

 財団が昨年、県内13市町の教育委員会や横浜市内で日本語指導を行う国際教室を設置する公立中学校に実施した進路調査でもその実情が浮き彫りになった。国際教室に在籍する生徒の25%が定時制に進学しており、「県内の公立中学校生徒(3%)と比較してその割合が極めて高い」との結果に。「全日制を希望しても、日本語力や学力が理由で定時制を選択せざるを得ない状況が背景にある」という。

 「高等教育は社会の窓。彼ら彼女らが社会で活躍するには、中学校を卒業した後をどうサポートするかが重要」と水田さんは話すが、日本で暮らす外国人や海外にルーツを持つ子どもたちへの支援や日本語教育は主に自治体やボランティアが善意で担ってきた。

 こうした現状を踏まえ国の責務を再確認しつつ、市民も生活上の困難を抱える外国人に対してどのようなサポートができるか。シンポを「一人一人が共生の形を模索するきっかけにしたい」と水田さんは話している。

 神奈川韓国会館(横浜市神奈川区)で午後1~4時。申し込み・問い合わせはかながわ国際交流財団電話046(855)1821。


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