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車両を手押し「豆相人車鉄道」再現 小田原

話題 神奈川新聞  2019年02月21日 09:47

 明治期に小田原-熱海間を結び、人が手押しで動かした「豆相(ずそう)人車鉄道」の車両がこのほど、小田原市内に住む男性の手で再現された。地元産の木材などで作られた車両は地元の職人技が随所に光り、「たくさんの人に乗ってもらい、小田原の新たな名所になれば」との願いが込められている。

 再現したのは、建物修理業の小嶺祐三さん(66)。自身の職人としての技術を生かして何かを作れないかと、豆相人車鉄道をイメージした車両の製作を思い付いたという。


 昨年秋ごろから製作を始め、今年1月上旬に完成。同市浜町の作業場近くに格納庫を設置して車両を収納し、晴れた日には外に展示する。約50メートルの線路も敷かれ、小嶺さんが車両を押すと、「ガタンゴトン」と音を立てながら線路上を走り、本物の電車に乗っているかのような気分が味わえる。

 一度に5人まで乗ることができる車両(長さ約1・9メートル、幅約1・4メートル、高さ約2・2メートル)には、地元のスギやケヤキが使われ、車内に木の香りが漂う。車両を囲む格子窓や障子窓は全て取り外し可能で、扉はかんぬきで施錠。車内の座席に敷かれた趣あふれる畳や客車を動かす車輪、アーチ形の屋根に張られた銅板はいずれも地元の職人によって仕立てられ、繊細な技が随所で楽しめる。


「豆相人車鉄道」を再現させた小嶺祐三さん=小田原市浜町
「豆相人車鉄道」を再現させた小嶺祐三さん=小田原市浜町

 全て自費で完成させた車両は、たくさんの人が集まる場所にしたいと「ツドウ」と命名した。「いろいろな人に乗ってほしい」と小嶺さんは胸を張り、「見て、触って、乗って楽しんでもらえたら」と話している。

 走行する車両への乗車は無料だが、事前連絡が必要。問い合わせは、小嶺さん電話090(3230)5792。


豆相人車鉄道 1895(明治28)年に熱海-吉浜(湯河原)間で開通し、翌96(同29)年に熱海-小田原間が全線開通。車夫2、3人が車両を手押しし、全線(25・6キロ)を約3時間50分で結んだ。海沿いを走り、主な客層は旅行客や富裕層だったが、急カーブが多く脱線事故も度々発生した。蒸気機関車の導入に伴い、1907(同40)年に廃止となった。


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