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外国ルーツの子に「居場所」を 今春、金沢区に開講

話題 神奈川新聞  2019年02月25日 14:31

日本語教室「トレボル NIHONGO」の開講準備のために打ち合わせをする永野さん(右)と西さん=横浜市
日本語教室「トレボル NIHONGO」の開講準備のために打ち合わせをする永野さん(右)と西さん=横浜市

 外国にルーツを持ち、日本語ができない小中学生の学習をサポートし、未来を描くための居場所をつくろうと、日本語教室「トレボル NIHONGO」が今春、横浜市金沢区に開講する。スペイン語で「クローバー」を意味する教室に、設立者の2人が特別な思いを込めた。地球という土に根を張るみんながつながり合い、いつかは四つ葉のクローバーのように幸せを運んでいきますように-。

 運営に乗り出すのは日本語教師として起業した永野将司さん(34)と、横浜市大の学習支援サークルを経験した西涼光さん(33)だ。今は金沢区内の小学校で同様のボランティアを行う西さんが言う。

 「金沢は昔から自動車工場などで働くペルー国籍の人が多い。親の都合で来日した子どもが小学校に通い始め、黒板に書かれる文字も、先生の言っていることも、全くわからないまま1日を過ごしているというケースがたくさんある」

 学校の授業ではスペイン語を話せる西さんが同時通訳で補助するが、それも週に1回程度。必然的に習熟は遅れたままになる。こうした背景を持つ子どもの高校在学率は約3割と、非常に低くなっているという。

 永野さんの教え子の中国籍の中学生も懸命に日本語を学んだ上で高校に進学したが、勉強についていけず退学を余儀なくされた。「『日本語が話せるようになること』と、『日本語で学ぶこと』は違うのだと思い知らされた苦い経験です」。そして知人を介して西さんと出会い、「そういう場所がないのなら、自分たちで作ろう」と立ち上がった。

 思い描くのは単なる学習塾ではない。「大学のサークルで支援した時も、学校ではとてもおとなしい外国籍の子が実はすごく活発で明るかったりした」と西さん。異国の生活で不安だらけの子どもたちに「居場所」をつくり、時に第2のマイホームとして、時にセーフティーネットとして、彼らのよりどころになりたい。だからこそ、教室というリアルな場を作ることを絶対条件にしてきた。


外国にルーツを持つ子供たちへの日本語教室の様子(西さん提供)
外国にルーツを持つ子供たちへの日本語教室の様子(西さん提供)

 西さん自身は一般企業に就職していたが、本当にやりたいことは何かと自問し、退職した。「外国にルーツを持つ子どもたちが環境や機会に恵まれず、学校や社会からドロップアウトしたり、いじめられたりしてしまう現実は今も変わっていない」。ならば、自ら変えていこうと決意した。

 教室は京急線金沢文庫駅近くの物件を借り、開講する。月謝は5千円から1万5千円とし、最大35人程度を受け入れる予定だ。永野さんは入管法の改正で外国人労働者の増加が見込まれる中、この活動を民間の事業として成立させることに意味があると強調する。

 「日本語支援が必要な子どもは全国で4万人以上いるといわれている。これまではボランティアやNPOが支えてきたが、どうしても限定的になる。専門性と継続性を担保し、教える側もきちんと生活ができる環境をつくり、日本全国の同じ課題を抱える地域に教室を一つずつ増やしていきたい。今はかつかつだが、何とか軌道に乗せたい」

 「トレボル」のプロジェクトは2月いっぱい、クラウドファンディング「Ready for」で支援を募集している。また、活動に共鳴してくれる企業や、教室で使う机や椅子などの各種備品の寄付も募っている。問い合わせは、knp.office2019@gmail.com。


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