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がん闘病のフットサル、久光選手 競泳・池江選手にエール

社会 神奈川新聞  2019年02月19日 17:00

がん治療と選手生活の両立を語る久光選手。左手薬指には真新しい結婚指輪が光っていた=小田原市内
がん治療と選手生活の両立を語る久光選手。左手薬指には真新しい結婚指輪が光っていた=小田原市内

 白血病を公表した競泳女子の池江璃花子選手(18)にフットサル元日本代表がエールを送った。がんと闘いながらピッチに立つ湘南ベルマーレの久光重貴選手(37)=小田原市在住=は「池江選手にしかできないことがきっとある。一緒に頑張りましょう」と背中を押す。

 「ここまで現役を続けていられるなんて正直、思わなかった」。闘病生活を続けながら試合にも出場してきた久光選手は、時折笑顔を見せながらこれまでを振り返った。

 31歳のときに右上葉肺腺がんが見つかった。鎖骨に隠れて発見が遅れ、すでにリンパ節にも転移していた。手術も放射線治療もできない状態だったという。

 「根治は望めない」。医師にそう告げられてから5年8カ月。ここまで8種類の抗がん剤を取り入れて病と闘い、肉体の変化と向き合いながら「できる範囲のプレー」を磨き続けた。かつて日の丸を背負ったテクニックを武器に、2017年3月の全日本選手権では公式戦自身3年ぶりのゴールを記録。今季も本拠地ゲームを中心にリーグ戦6試合に出場した。

 「がんは残念な病気だと思われがち。そのイメージを変えたい。がんになっても好きなことをやれると証明したかった」。副作用の倦怠(けんたい)感と戦いながらトレーニングに汗を流し「自分だからこそできること」を探し求めた。サポーターに小児がん患者の支援を呼び掛ける「フットサルリボン活動」に参加。講演活動を通じて人生の伴侶とも出会った。

 17年秋にテレビ局のディレクター、茉紀さん(28)と結婚。「一般家庭と同じ。アメとムチですよ」。アメは栄養満点の手料理。薬を飲み忘れれば夜中でもたたき起こされる愛のムチが待つ。自転車を走らせランニングにも付き添ってくれる明るい妻は、「自分が結婚するなんて無責任。人と付き合うことすらためらった」と、後ろ向きになりがちだった心を解きほぐしてくれた。

 5年半前のがん公表当時は身を案ずる連絡がひっきりなしに届いたが、「頑張れ」というエールがつらくなる時期もあったという。

 支えになったのは闘病仲間の「一緒に頑張りましょう」との言葉だ。「池江選手にも、白血病でもこんなことができるんだという力強さを見せてほしい。僕はベルマーレに必要とされる限り走り続ける。一緒に頑張りましょうと伝えたい」


昨シーズンの練習試合でプレーする久光選手=小田原アリーナ(湘南ベルマーレフットサルクラブ提供)
昨シーズンの練習試合でプレーする久光選手=小田原アリーナ(湘南ベルマーレフットサルクラブ提供)

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