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女性たちの権力闘争描く 【女王陛下のお気に入り】

カルチャー 神奈川新聞  2019年02月18日 09:22

 息をのむストーリーはもちろん、役者の表情、映像、美術、全てに見入ってしまった。24日発表の米アカデミー賞作品賞にもノミネートされているなど、最注目の作品だ。

 17人の子どもに先立たれ、17羽のうさぎをかわいがる孤独なアン女王(オリビア・コールマン)=写真右=が君臨する18世紀のイングランドが舞台。フランスと戦争中で政治が揺らぐ中、精神を病む女王を陰で支えているのが幼なじみのレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)=同左=だ。夫のモールバラ公は、チャーチル英国首相やダイアナ妃の祖先として知られる。

 鍵を握るのは、サラの親類として宮廷に入り込んだアビゲイル(エマ・ストーン)。この二人が女王の寵愛(ちょうあい)を巡って画策を繰り広げることで、物語が動く。

 権力や暴力など、普段は男性的な視点で語られることが多い物語を、女性の視点で描いていることが新鮮で面白い。彼女たちは重いドレスに縛られず、自らの野望をどんな手を使ってでも成し遂げようとする。

 巨大な権力を持っている女王だが、誰よりも国家に身をささげ、精神をむしばまれているのが痛々しい。その女王を演じたコールマンの演技は圧巻だった。まさしく、映画好きの「お気に入り」になりそうな作品だが、全編にわたってハトが象徴的に出てくるので、苦手な人はご注意を。


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