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生活支援にやりがい 作野さん「利用者さんの笑顔が好き」

話題 神奈川新聞  2019年02月18日 02:12

作野もとみさん
作野もとみさん

 慢性的な人手不足に悩む福祉施設。川崎市福祉人材バンクの最新の有効求人倍率では5・11倍(1月)で、仕事を紹介するホームページへのアクセス数もピーク時の4分の1以下と伸び悩む。そんな福祉の仕事でもやりがいを持って生き生きと活躍している職員は決して少なくない。

 麻生区にある障害者のための複合施設「川崎授産学園」で働く生活支援員の作野もとみさん(28)もその一人だ。

 「利用者さんの笑顔が好き。そのために何ができるか、いろいろな意見を交わして対応する。それがうまくいくとうれしい」。職場は知的障害者が紙工芸やシイタケ栽培などの作業をしながら暮らす「つばき寮」。知的障害者の入所施設としては草分けのため、利用者の平均年齢は54歳と高齢化し、課題になっている。

 70歳に近い入所女性は昨年、体調を崩して入院。退院して施設に戻った時には筋肉が衰え、ぐったりしていることが多く元気もない。そこでリクライニングベッドに変え、体圧分散マットを導入。「車いすもしっかり座れるような形のものに変え、体を包み込めるようクッションを調整した」。女性は元気になり、体調を崩すことも減ってきたという。備品の購入に必要な障害者手帳の申請なども中心になって進めた。

 3交代制の勤務には夜勤もあるが、「私は好きです。日中は忙しくてなかなか利用者さんと会話できないけれど、夜勤のときはじっくり話せるから」。職員としてだけではなく、一人一人が人生を楽しく過ごせるよう、家族のように考えたいという。

 もともとは子ども好きで保育士を目指し、大学に進んだ作野さん。保育実習で訪問した東京都内の知的障害者施設での体験が転機となったという。「食事を手で食べたり、皿を投げたりする姿にショックを受けた。怖い、苦手だと思った。1週間くらい食事もできなかった」

 しかし、「行動には理由がある」と職員が一つ一つ丁寧に説明してくれた。皿を投げるのは、食事をして食べ物はなくなったのに、まだ皿が残っている。自分にとって皿が残っている限り食事は終わらない。だから終わらせるために、目の前から皿をなくすための行動だ-と。

 「視野が広がった。どうすれば利用者さんが幸せになるか、努力する。それがうまくいくと表情や様子も変わってくる。そうしたやりがいが、この仕事にはある」

 さくの・もとみ 川崎授産学園・つばき寮(定員50人)の生活支援員。県立綾瀬西高校、田園調布学園大卒。東京都内の福祉施設を経て2015年5月から現職。介護福祉士、社会福祉主事任用資格、保育士、ピアヘルパーなどの資格を持つ。多摩区在住。28歳。


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