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【減災新聞】〈支える・つながる〉多様性のある暮らしを「コミュニティ仮設」に学ぶ

減災 神奈川新聞  2019年02月17日 02:43

災害後のコミュニティー支援の経験や課題を語る東大の後藤特任講師(左)とNPOの吉住理事=県社会福祉会館
災害後のコミュニティー支援の経験や課題を語る東大の後藤特任講師(左)とNPOの吉住理事=県社会福祉会館

 被災地のコミュニティー再建をテーマとした公開研修会が12日、横浜市神奈川区であった。岩手県釜石市で入居者のつながりや利便性に配慮した仮設住宅を実現させた東大高齢社会総合研究機構の後藤純特任講師が「被災後も多様性のある暮らしを維持する視点を忘れてはいけない」と強調した。

 提唱する「コミュニティケア型仮設団地」が実現したのは、東日本大震災約5カ月後の2011年8月に完成した釜石市の平田第6仮設団地(240戸)。

 多様な地域から幅広い世代の被災者が入居することも踏まえ、居住者同士の交流が進むよう住棟を向かい合わせに配置した。子育て世帯とケアが必要な高齢者らの居住ゾーンを分ける一方、ウッドデッキを敷いてバリアフリー化。相談などで気軽に足を運べるサポートセンターや診療所、仮設のスーパーなど多様な機能を整え、路線バスの停留所も設置した。

 こうした工夫が必要な背景として「仮設では、ゼロからコミュニティーをつくることになる。高齢化率も高く、孤独死や自殺などが起きやすいため、閉じこもらないようにすることが大切」と後藤さん。その一方で、「災害救助法で定める2年という供与期間では、仮設は解消されない。長い入居期間を考慮したグレードアップが必要だ」と、供給戸数の確保が優先される施策の問題点を指摘した。

 後藤さんは、熊本地震で3千棟以上の住宅が全壊した熊本県益城町でもコミュニティーづくりを支援。イベントなどで地域の人々を結ぶ地元のNPO法人「チーム安永」の吉住慶太理事も登壇し、「課題よりも、地域の可能性を考えるようにした。そうすることで復興につながっていく」と発想の転換を地域活動の鍵に挙げた。

 公開研修会は、県社会福祉協議会の第2種・第3種正会員連絡会が主催した。


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