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市の補助制度を利用
空き家を防災広場に 横浜の木造密集地域に地元住民が整備

社会 神奈川新聞  2019年02月17日 02:25

防災広場のオープニングセレモニーで整備のいきさつを述べる竹内さん(右端)=横浜市中区本郷町3丁目
防災広場のオープニングセレモニーで整備のいきさつを述べる竹内さん(右端)=横浜市中区本郷町3丁目

 大規模地震時に延焼火災の恐れがある横浜市中区本郷町3丁目の木造住宅密集地域(木密)に16日、防災広場が完成した。もともとは老朽化した空き家があり、防災上の課題があった民有地。地主と住民、市が協力して空き家を取り壊し、マンホールトイレや備蓄倉庫などを整備した。一時的な避難場所となるスペースがこうした手法で確保されるのは、市内初という。

 JR根岸線山手駅近くの丘陵地に位置する本郷町3丁目(約17・4ヘクタール、人口約2300人)は、東日本大震災後に制定された市条例に基づき、建物の防火規制などが講じられる不燃化推進地域の一つ。高低差のある一帯に住宅が密集、急な坂道や階段が多く、消防車が入れない地域もある。

 その一角の斜面地沿いに防災広場(289平方メートル)を整備したのは、10年ほど前から狭隘(きょうあい)道路の拡幅などに取り組んできた地元の「住みよいまち・本郷町3丁目地区協議会」(鎌倉崇会長)。整備費は約440万円で、市の新たな補助制度を活用した。整地した上で、湧き水をため込むタンクやマンホールトイレ、倉庫を設置したほか、手作りのテーブルや発電機などの資機材を備蓄している。

 こうした広場の確保は長年の課題だったが、空き家があったこの土地の所有者が協議会の取り組みに協力する意向を示したことで実現した。空き家は市の別の補助金を活用して昨年解体され、敷地を防災広場として開放するとの協定を市や地元と結んだ。今後、住民らが身を寄せる「いっとき避難場所」として利用されるほか、防災訓練やイベントなどにも使われる。

 16日には、オープニングセレモニーと炊き出し訓練が行われた。協議会の副会長で地元町内会の竹内理裕会長(72)は「この地域は急傾斜地で火災の危険性も高い。実現まで3年かかったが、ようやく避難場所を確保できた」と喜び、「これを機に住民の意識を高めていきたい」と今後を見据えた。


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