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性自認 尊重の動き広がる
トランスジェンダー受け入れ 県内女子大の半数検討

社会 神奈川新聞  2019年02月15日 17:00

 戸籍上は男性だが性別を女性と認識しているトランスジェンダーの学生について、県内にキャンパスがある6女子大のうち5割となる3大学が受け入れの検討や研究を進めていることが15日までに、神奈川新聞社の調査で分かった。3大学は慎重に議論を進めており、多様な性のあり方への認識が深まる中、学生が自認する性別を尊重する動きが県内でも広がりつつある実態が判明した。

 性自認が女性のトランスジェンダー学生の受け入れを「検討している」と回答したのは、川崎市多摩区にキャンパスがある日本女子大と、相模女子大(相模原市南区)。また、同区に校舎がある女子美術大は「具体的内容は現時点で未定」としながらも、2017年11月に学長補佐会の下にワーキンググループを設置して検討を始め、情報収集や意見交換を行っているという。

 日本女子大は、15年末に川崎市内の付属中学校に対し、小学4年の男児の母親から「性同一性障害と医師に診断されているが、受験が可能か」と問い合わせがあったことをきっかけに検討を開始。16年8月に幼稚園から大学まで全学園を視野に入れたプロジェクトチームを立ち上げ、人間社会学部(同市)の学部長の下、大学や付属校・園の職員らによる会議を設置し、検討している。

 また、相模女子大は17年12月ごろから、学長、副学長、事務局長、部長による四役会をメンバーに検討。お茶の水女子大(東京都文京区)が全国の女子大に先駆けて18年夏、「多様性を包摂する社会の対応として当然」として20年度からの受け入れを表明したことで「さらに前向きに検討を進めることにした」とする。

 ただ、日本女子大、相模女子大ともに受け入れ時期は「未定」と回答。お茶の水女子大の方針について、日本女子大は「同大学とは早期から情報交換を行っていたので内容に驚きはなかったが、受け入れ決定に至るスピードに少々驚いた」としている。

 一方、受け入れを検討していないのは3大学。フェリス女学院大(横浜市泉区)は「慎重な対応を要するため」と説明。東洋英和女学院大(同市緑区)は「学長の方針が明確に決まっている」とした。

 鎌倉女子大(鎌倉市)は「高等教育の門が閉ざされているわけでない中、あえて女子大学で学びたい動機やその確認の方法、基準や選考方法の確立などにわたり、どこまで明証性・客観性・安定性が担保できるのか」などと指摘する。

 また、日本女子大など2大学では入学に関する当事者からの問い合わせを数件ずつ受けており、県内でも女子大への入学を希望するトランスジェンダー学生の潜在的ニーズがうかがえる。

トランスジェンダー 出生時の性別とは異なる性を自認する人。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルとともに「LGBT」に含まれる。「性同一性障害」と診断される人もいる。若年層のトランスジェンダーは日本で2千人に1人とされる。

多様な女性へ門戸
当事者評価「大きな変化」



 県内の3女子大が、戸籍上は男性でも女性と自認するトランスジェンダーの学生の受け入れを前向きに捉えていることが神奈川新聞社の調査で明らかになった。時期や具体的な態勢は今後の議論次第だが、性の多様性を尊重する社会的な潮流を背景に、体の性別を入学の前提にしてきた女子大が「多様な女性」に門戸を開放する動きだ。当事者らは「大きな変化」と評価している。

 「戸籍の性だけに準じないところに、いい変化を感じる」。

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