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厚木市長選 候補者アンケート(下)財政運営の針路 支出、確保策に違い

選挙 神奈川新聞  2019年02月14日 17:00

新市庁舎の建設予定地となっている本厚木駅前の「中町第2-2地区」。今は駐輪場などになっている=厚木市中町1丁目周辺
新市庁舎の建設予定地となっている本厚木駅前の「中町第2-2地区」。今は駐輪場などになっている=厚木市中町1丁目周辺

 17日投開票の厚木市長選は、多選自粛条例を巡る論戦が注目されているが、各候補者は独自の政策も訴えている。新人で元県議の佐藤知一(49)、4選を期す現職の小林常良(69)、新人で元市議の石射正英(65)の3氏=いずれも無所属、届け出順=に「市財政の課題」「中心市街地の活性化」「市が今後取り組むべきテーマやアイデア」について持論を聞いた。 

豊かな経営基盤

 交通の要衝として企業集積が進み、経済都市の顔も持つ厚木市。1964年以降、国の普通交付税に頼らず財政運営できる「不交付団体」を堅持しているが、これは県内市で最長だ。3氏とも市の財政力を認める点では一致するが、支出のあり方やさらなる財源の確保についての考えには違いが見える。

 佐藤氏は「他市町村より人口に対する予算は恵まれているが、投資に見合った成果が得られていない大型公共事業もある。『ハコモノ』行政を脱却し、市民のために予算を有効活用すべき」と主張。将来の福祉費用の増大を見込んだ財政運営、官民連携による市有地の戦略的な活用を訴える。

 小林氏は「さまざまな分野の優良企業が拠点を置き、安定した財政基盤が確保され、市の発展の大きな力になっている」と現状を説明する。今後の課題として「社会変化に対応する財源を確保していくこと」を挙げ、土地区画整理事業の推進などで税収や雇用の増大につなげる考えだ。

 石射氏は「市の強い財政力は市内に立地する企業の法人市民税に起因するが、景気の影響を受けやすく不安定な財源」と指摘。収入に釣り合った支出の計画を立てる堅実な財政運営を重視するほか、企業誘致や農業活性化など産業振興に力を入れ、雇用を創出する施策展開の必要性を説く。

市街地の活性化

 中心市街地の本厚木駅周辺では南口で再開発事業が進む。東口方面では「中町第2-2地区」と呼ばれる地域に、2024~25年度の完成を目標にして新市庁舎を建設する官民の議論も進行中だ。

 佐藤氏は「駅前一等地に『お金』を生まない市役所を建設することで機会損失を生む」などと2-2地区での市庁舎建設に反対の立場を強く示す。「駅前は休日も多くの人が訪れる場所として、まちの活気をリードしていく場所にしていく必要がある」と訴える。

 小林氏は「多くの人が集い、にぎわいや活力があふれる、歩いて楽しいまちをコンセプトに中心市街地整備に次の4年で道筋をつけたい」と主張。2-2地区では市庁舎と図書館、国や県の機関などとの複合施設化を図る考えで「説明責任を果たしつつ進める」。

 石射氏は次代の中心市街地について「十分な歩行空間、商業・文化などさまざまなサービス提供機能を備える施設配置、防災対策強化も必要」と言及。現市庁舎の建て替えの必要性は認めるが「建設場所は拙速に決断することなく立ち止まって考えるべき」とする。

将来のビジョン

 市のさらなる発展に向けて、3氏はそれぞれ私案も持っている。

 佐藤氏はお年寄りや障害者、子どもなどが共に利用できる「宅幼老所」と呼ばれる施設の開設を提示。地域福祉の充実や空き家・空き店舗の活用に期待する。

 小林氏は大規模災害の対応などを念頭に近隣自治体と広域的な行政運営や連携の必要性を訴える。「県央地区の中心的役割を担ってリードしていく」とした。

 石射氏は社会保障などの経費増大を見越し、人工知能技術やIoT(モノのインターネット)技術の導入によるコスト縮減や組織・事務の最適化を提案する。


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