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陛下と共に年輪重ね 生誕祝い植樹の梅林、16日から祭り

話題 神奈川新聞  2019年02月14日 02:35

2005年2月に田浦梅林に来られた天皇皇后両陛下 =横須賀市田浦泉町(石渡カメラ店提供)
2005年2月に田浦梅林に来られた天皇皇后両陛下 =横須賀市田浦泉町(石渡カメラ店提供)

 約2千本以上の梅の木が咲き誇る「田浦梅の里」(横須賀市田浦泉町)で16日から3月10日まで、恒例の梅林まつりが開かれる。梅林は、地元の住民らが80年以上前に天皇陛下の誕生を祝って植樹したのが始まり。4月30日に陛下が退位する今年、ともに年輪を重ねた梅の香りとともに、関係者らの胸にもさまざまな記憶や思いが去来している。

 梅林は1934(昭和9)年、山を所有する石川金蔵さんら地元住民でつくる組合が700本を植樹。前年12月に皇太子殿下(現在の陛下)が誕生されたのを記念し、植えられた。金蔵さんの孫の男性(77)は「組合の皆さんが一緒になって、草刈りをしたり、熱心に手入れをしたりしていたのを子どもの時によく見た。常にきれいにしていた」と当時を振り返る。

 80年代からは、市が隣接する田浦緑地に梅を植樹。今は組合に代わって市が約6千平方メートルを一体管理し、三浦半島随一の梅の名所までになった。

 2005年2月4日には、葉山御用邸で静養中だった天皇皇后両陛下が観梅に来られた。ただお忍びだったためか、そのことを報じる記事は翌日の紙面に見当たらない。

 1カ月後。神奈川新聞の投書欄に男性の投書「身近に感じられた天皇ご一家」が載った。両陛下が梅見客に声を掛けられ、和やかなムードだった様子がつづられている。

 地元・田浦町の「石渡カメラ店」店主の石渡文吉さん(80)も観梅に居合わせた一人。「陛下がいらっしゃるとの話を直前に聞き、大急ぎで山を駆け登って、写真撮影させていただいた。開花前だったが、よく晴れた日で両陛下と(ご成婚前の)紀宮さまの穏やかな表情が今も印象的に残っている」と懐かしむ。

 金蔵さんの孫の男性は「この時の気持ちを組合員だった女性が詠んでいる」とある歌を紹介した。〈降誕を祝ぎ 有志の植えて育てし梅林を 歩む古希の天皇〉

 「陛下のご説明役の方も田浦の人たちが陛下の誕生を祝って植えた話をしたのでしょう」と男性。梅を植え、育てた初代組合員らの気持ちに思いをめぐらせ、こう代弁した。「この歌の通り、両陛下が来られたことを大変喜んだと思う。その陛下が今年、退位されることにも『ご公務、お疲れさまでした』と言っているのではないでしょうか」


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