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安倍政治を考える 記者の視点=経済部・田崎 基
時代の正体〈669〉破滅へと進む経済支配

時代の正体 神奈川新聞  2019年02月09日 00:15

衆院予算委で答弁する安倍首相=5日午後
衆院予算委で答弁する安倍首相=5日午後

【時代の正体取材班=田崎 基】景気回復の実感がない現状を問われ、この国の財務相はこう答えた。

 「上がっていないと感じる人の感性」

 さらに、質問した民放の記者に対し「どのくらい上がったんだね」と逆質問し、記者がほとんど上がっていないと答えると、こうも言った。

 「そういうところは、そういう書き方になるんだよ」

 景気回復が虚像であり、アベノミクスが当初の目標を達成できず迷走し始めていることはもはや明白で、景気回復の実感が伴っていないのは「感性の問題」などではなく、実相だ。

 この残酷な現実は数字が克明に物語っている。

 異次元の金融緩和が本格化した2013年1月以降、日銀は通貨の量(マネタリーベース)を急拡大させ、一気に円安になった。

 だが異常な金融緩和に見合う賃金上昇はなく、むしろ円安によって輸入品のコストが増加し食料品などを含め物価が上昇した結果、実質賃金は下がり続けた。

 アベノミクスは「2年間で物価上昇率2%」を目指す経済政策だが、物価上昇率を超えるレベルで賃金が上昇しなければ実質賃金は下がる。「景気が回復した」という実感はあり得ず、むしろ日々の生活に窮する結果を生んでいる。

 世帯年収を低い順に並べたとき中央に位置する「中央値」は、ピーク時の1995年(550万円)と比べ2016年は約20%も下落し、442万円となっている。

虚 構


 問題はさらに根深い。

 この国の状況を正確に把握する上で、極めて重要な「統計」が偽装されていたのだ。

 4日の衆院予算委。立憲民主党の小川淳也衆院議員が核心を突いていた。

 「アベノミクスの成果を偽装するために賃金水準を引き上げようとする思惑があったのではないか」

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