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暴力と脅迫に驚きの声も
慰安婦映画製作委が17分の動画公開 妨害と闘う姿を記録

社会 神奈川新聞  2019年02月06日 02:05

上映会場に押しかけた右翼団体の男性(左側の帽子の男性)ともみ合うスタッフら(動画「上映を勝ち取る日まで」から、画像を一部修整しています)
上映会場に押しかけた右翼団体の男性(左側の帽子の男性)ともみ合うスタッフら(動画「上映を勝ち取る日まで」から、画像を一部修整しています)

 日本軍の慰安婦にさせられたハルモニ(おばあさん)たちを追ったドキュメンタリー映画「沈黙-立ち上がる慰安婦」(朴(パク)壽南(スナム)監督)の上映会が右翼団体などの妨害を受けている問題で、同作品の製作委員会は、妨害に抗(あらが)った記録をまとめた動画「上映を勝ち取る日まで」をインターネットで公開している。同作品は、韓国や米国での上映も予定しており、国際的な広がりを見せるが、国内では妨害の動きが続く。製作委員会は動画を通して「抗議や妨害の実態、異常さと、それと闘う市民の姿を伝えたい」と話す。

 動画は約17分で、今月2日から公開されている。「日本国と日本人を貶(おとし)める映画」などとして、右翼団体の街宣車やメンバーなどが上映を妨害した昨年10月の茅ケ崎上映会、11月の横浜上映会の様子を収録。また、横浜地裁が右翼団体に対して横須賀上映会(12月)での妨害禁止の仮処分を決定した際に開いた記者会見や、多くの市民が集まり妨害を警戒した同上映会の記録も収める。

 このほか動画では、在日朝鮮人の朴監督が妨害に直面し「一体、日本で生きていけるのだろうか」と思ったと明かしている。

 動画は別途、韓国語と英語の字幕を付けて配信される。製作した朴監督の長女で同作品プロデューサーの麻衣さんは、「横浜上映会の映像は暴力と脅迫そのものが伝わると思う」とし、「妨害する人々がいる一方で、真摯(しんし)に歴史を見つめようとし、朝鮮人への差別を許さないと集まった人が多くいたことに勇気づけられた」と振り返る。

 動画公開後、各地から感想が寄せられており、沖縄からは反基地運動に対する右翼の街宣活動と「おんなじ」「全く腹が立つ」という声が届いた。「報道などで知っていたが想像を超えていた」という驚きの声もあったという。

 現在も上映会の妨害は続いており、今年1月に県央地区の個人商店で開催した小規模な会に対しても、右翼団体の街宣車が押しかけた。麻衣さんは最近、元慰安婦の被害者2人が亡くなったことに触れ「戦争の体験者がいなくなる歴史の大きな転換点で上映妨害が起きており、はね返さねばと思う。右翼の妨害の背景には、加害の歴史に背を向けている普通の日本の人が多くいると思う」と語る。

 同作品は、2月に韓国で上映。3月には、米国のニューヨーク市立大学で開かれる女性学に関するイベントにも招聘(しょうへい)されている。招聘に当たっては「植民地支配の延長線上で今も続く在日韓国・朝鮮人に対する人種差別と政策をも深く扱っている点が感銘深い」との理由が知らされたという。

 同製作委員会は「上映会や語り合う場を増やしたい」としており、全国での上映会開催を呼び掛けている。問い合わせは、アリランのうた製作委員会のメール(nutigafu@gmail.com)まで。


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