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干物をフレンチに 真鶴の老舗店が仏シェフとコラボ

経済 神奈川新聞  2019年02月04日 02:11

「アタラシイヒモノ」を使ったアクアパッツァ(「dot science」提供)
「アタラシイヒモノ」を使ったアクアパッツァ(「dot science」提供)

 干物を食卓の主役に-。真鶴町の老舗干物店が、洋風料理としてアレンジできる干物の製造を始め、注目を集めている。フランス料理のシェフが監修。若年層の干物離れを食い止めようと「アタラシイヒモノ」と命名した商品には、おいしさを多くの人に知ってもらいたいとの思いが詰まっている。

 昨年9月に発売したのは、ハーブとガーリック風味のキンメダイ。同12月には第2弾として、チョリソー風味に加工したサケやサバ、淡泊な味で捨てられてしまうことが多いというシイラのハーブ・ガーリック風味の干物などを発売した。


ハーブとガーリック風味のキンメダイ(dot science提供)
ハーブとガーリック風味のキンメダイ(dot science提供)

 企画した「dot science(ドット サイエンス)」(東京都中央区)は、うま味が凝縮する干物の特性に着目。焼くだけでなく、野菜などと一緒に調理すれば、アクアパッツァやラタトゥイユなど、さまざまな料理がフライパンやオーブンで手軽に楽しめるという。

 製造を手掛ける干物店「魚伝」(同町真鶴)は1877(明治10)年創業。魚を漬け込む「塩汁」の塩と水の配合や漬け時間、生臭さの原因になる「血合い」を残さないよう魚ごとに異なるブラシを使って1枚ずつ洗うこだわりなど、代々受け継がれる製法で作ってきた干物を求め、客が次々と店に訪れる。


コラボレーションを果たした「魚伝」5代目店主の青木良磨さん(左)と「dot science」代表の小澤亮さん=真鶴町真鶴
コラボレーションを果たした「魚伝」5代目店主の青木良磨さん(左)と「dot science」代表の小澤亮さん=真鶴町真鶴

 一方、近年は中高年がメインターゲットとなるなど客層の変化に直面。町内でかつて十数店舗が軒を連ねていた干物店は、後継者不足や経営不振により今や3店舗にまで減ったという。

 「焼くのが面倒」「マンションに住んでいて臭いや煙が気になる」と干物を避ける若年層にどうしたら食べてもらえるかを模索。そんな時、同店5代目店主の青木良磨さん(34)の知人だったdot社代表の小澤亮さん(33)から、アクアパッツァ用の干物製造の提案を受けた。

 同社は食品加工などを通じ生産者を支援する事業を展開。同社役員でフランス料理のシェフでもある田村浩二さん(33)が塩汁に代わる洋風調味液のレシピを監修し、共同での試行錯誤の末に完成させた。


「アタラシイヒモノ」を使ったブイヤベース(dot science提供)
「アタラシイヒモノ」を使ったブイヤベース(dot science提供)

 小澤さんは「干物業界全体を盛り上げていきたい」。青木さんは「実は魚介類が苦手。でもうちの干物はおいしいから食べられる」と胸を張り、力を込めた。異色のコラボレーションはテレビやラジオなどでも取り上げられ、購入が相次いだ。売り上げは好調で同社は第3弾も検討している。「おいしい干物を世の中に広めていきたい」

 ホームページでレシピ紹介や通信販売を行う。問い合わせは、小澤さんにメール。アドレスはinfo@ediblegarden.flowers


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