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集う場づくりで若い人材を支援 県介護福祉士会長

社会 神奈川新聞  2019年01月28日 10:37

県介護福祉士会の新年度事業について抱負を語るコッシュ石井美千代会長
県介護福祉士会の新年度事業について抱負を語るコッシュ石井美千代会長

 県介護福祉士会は、昨年6月に新会長に就任したコッシュ石井美千代さん(50)を中心に、2019年度の事業計画を策定中だ。コッシュ石井さんは「介護福祉士の力になる研修を充実させていきたい。また、事業を拡大し、会の知名度を上げていきたい」と、新体制での新たな取り組みについて意欲を見せている。また、介護職の待遇改善、外国人の受け入れなど、介護福祉士が直面する課題についても、コッシュ石井さんに展望を聞いた。

 -約20年にわたり会長職を務めてきた野上薫子さんに代わり、3代目会長への就任。理事17人のうち約半分が交代する新体制となった。

 「野上前会長の存在は大きかった。理事全員が現役で仕事をしているので、野上前会長が担ってきた業務を分担して対応している。新体制では、人づくり、仲間づくりをしていきたい。介護福祉士にとっても、会の活動が十分に知られていない現実がある。事業を拡大し、会員を増やしていきたい。また、幅広く他団体との協力関係も太くしていきたい」

 -介護福祉士が置かれている現状、課題は。

 「人手不足の中、20代後半で職場のリーダーになり、30代で施設の介護責任者となるなどしている。人生経験、社会経験もそれほどない中で、外国人も含め10代から70代の多様な仲間をまとめなくてはいけない。必死に頑張っていて、つぶれてしまわないかとても心配だ。会を踏ん張れるよりどころにしたい。若い介護福祉士が集える場やイベントの開催、広く心の問題に関する研修も行っていきたい」

 -10月の消費税増税に合わせ、ベテラン介護職の待遇改善も行われる。

 「同一法人内で勤続10年以上の介護福祉士という基準は望ましい。一法人に定着しないと、介護職の質も上がらない。法人を転々とする人が多いのは残念だ。また、介護福祉士という国家資格の意味は重い。だからこそ、責任の重さをきちんと自覚する必要がある」

 「職務も専門性も異なり、同じようにはいかないと思うが、看護師がしてきたように、介護福祉士の社会的地位を引き上げる取り組みをしたい」

 -入管法の改正で、外国人の受け入れも拡大する。

 「カナダ人と結婚しているので、外国人との価値観、文化の違いは日々痛感している。受け入れ対応で難しさがあるのは事実だが、外国人だから大変だとは思わない。人として大事なものは共通している。介護福祉士になった外国人には、ぜひ会に参加してもらいたい」

 -人材不足は深刻さを増すばかりだ。

 「介護福祉士はさまざまな職場で働いており、各職場の状況を見ているが、中でも訪問介護の人材不足は非常に重大だ。訪問介護は高齢者が地域で暮らしていく要のはずだが、ヘルパーは高齢化が進み、近い将来、激減する可能性がある。国に強く対策を求めていきたい」

 -今後は地域での取り組みも重要となる。

 「介護福祉士の専門性は、フレイル(虚弱)予防、介護予防にも生かすことができる。長く人生に寄り添う存在として、地域でも存在をアピールし、役割を果たしていきたい」

 ◆コッシュ石井美千代さん(こっしゅいしい・みちよ) 1968年、茅ケ崎市生まれ。有限会社「ほっと」(秦野市)代表取締役。介護福祉士。特別養護老人ホーム職員、カナダ留学などを経て、2002年に「ほっと」を設立し訪問介護事業をスタート。現在は「訪問介護サービスほっと」「通所介護サービスほっと」など運営。

 ◆県介護福祉士会 2017年度末の会員は917人。各種研修会や研究会の開催、行政事業への参加、提言活動。「介護職員110番」など多彩な活動を展開している。

 ◆ベテラン介護職員待遇改善 10月の消費税増税に合わせ、職場のリーダーとなる勤続10年以上の介護福祉士について、最低1人は賃金を月8万円上げるか、年収を440万円以上にする。その他の職種も賃上げできるように事業所の柔軟な運用も認められた。


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