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現代社会の男女平等を問う 【天才作家の妻-40年目の真実-】

カルチャー 神奈川新聞  2019年01月28日 09:41

 “内助の功”が必ず取り上げられるノーベル賞の受賞報道。男性を陰で支え続けることに違和感を抱きながら、人前では笑顔を見せてきた女性もいたかもしれない-。本作はそんな視点を投げ掛ける。

 長年連れ添った夫のジョゼフ(ジョナサン・プライス)と、妻のジョーン(グレン・クローズ)=写真。ジョゼフは切望してきたノーベル文学賞に選ばれ、ジョーンは彼をつつましやかに支えてきた妻として振る舞う。

 一方で、夫の栄誉を手放しで喜べないジョーン。彼女の思いは複雑だ。

 二人が出会った1960年代の米国は、女性の社会的地位は依然として低く、ジョーンは職業作家を目指すも“ガラスの天井”を感じてしまう。才能があるにもかかわらず内気な性格のため、社会の価値観にあらがえなかったジョーン。筆を折り、夫の執筆活動を裏から支えることを選択する…。

 受賞に浮かれる夫を横目に、ジョーンは今まで封じてきた不満を募らせる。「糟糠(そうこう)の妻のスピーチはやめて」と訴えるが、ジョゼフは「妻への礼は、お決まりなんだ」と心ない一言を浴びせる。

 愛憎が渦巻くジョーンの葛藤を、繊細な表情で演じたクローズ。その演技は、今年のゴールデングローブ賞の主演女優賞に輝いた。男女平等の再考に一石を投じる良作だ。


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