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【減災新聞】自助、共助道半ば 横浜市民に調査

社会 神奈川新聞  2019年01月27日 01:53

 地震の被害を軽減するために欠かせない「自助」と「共助」。言葉としての認知度は高まったものの、具体的な行動や実践には結び付いていない-。横浜市が市民1万人を対象に調査した「危機管理アンケート」で、個々や地域の備えが不足している現状が浮かび上がった。優先すべき家具の固定は4割が未実施。食料や飲料水の備蓄は6割が不十分だった。共助を育む訓練などには、ほぼ半数が参加していないと回答した。

 昨年6~7月に行われ、2682人が回答したアンケートでは、48・5%が「自助」を、45・6%が「共助」を理解。2015年の前回調査と比べ、どちらも20ポイント前後も上昇しており、言葉は定着したといえる。

強い家は…


 地震に備える上で最も大切な自助は、強い揺れに耐えられる家に住むことだ。一戸建てもマンションも、旧耐震基準(1981年5月以前)の建築なら、強度をチェックする耐震診断を受け、必要に応じて耐震改修を行う必要がある。

 アンケートでは、18・8%が自宅は旧耐震であると回答。このうち35・3%が「耐震診断・改修などの実施予定はない」との意向を示した。95年1月の阪神大震災で大きな教訓となり、2016年4月の熊本地震でも浮き彫りになった古い住宅の耐震性不足の問題が、なお解消していないことを示す結果だ。

 改修などを実施しない理由で最も多かったのは「費用がかかる」の56・2%。「危険性を感じない」(15・7%)、「賃貸物件のため」(10・1%)と続き、「診断・改修を知らなかった」(4・5%)という声もあった。

避難の妨げ


 室内の安全性を高める対策も欠かせない。住宅が倒壊を免れたとしても、たんすや食器棚、書棚など背の高い家具や家電の下敷きになれば、命を落とす恐れがあるからだ。

 専用の金具などで壁に固定する対策が重要だが、実施状況はいまひとつだ。

 「全部固定している」はわずか7・3%。「一部固定している」(46・2%)と「固定の必要な家具類がない」(5・3%)を合わせても、室内の安全確保がある程度実施されているのは6割ほどだった。「固定していない」(38・9%)が4割近くを占め、一層の啓発や支援が必要な現状が浮き彫りになった。

 「一部固定」か「固定していない」と答えた人に対し、「家具類の転倒で就寝中に負傷・死亡するか、玄関までの通行を妨げる可能性があるか」を尋ねたところ、「ある」との回答は25・5%だった。


家具を固定しない理由
家具を固定しない理由

「保管」が壁


 耐震化と家具の転倒防止が「生き延びるため」の対策であるのに対し、食料や飲料水などの備蓄は「生き延びた後」に必要となるものだ。優先度は前者の方が高いが、備蓄品はホームセンターなどで一通り買いそろえられるため、比較的取り組みやすい。

 にもかかわらず、備えは十分ではないようだ。

 アンケートによると、最低限とされる「3日分」の備蓄は28・0%。「4日分以上」の12・9%を含めても、準備ができている人は4割にとどまる。

 これに対し、「準備していない」が21・4%。「2日分」(20・1%)と「1日分」(15・9%)を合わせると、6割近くは備蓄が不足している状況だ。準備しない理由として「保管場所がない」「急いで準備する必要はない」「何を準備すればよいか分からない」「面倒」などが挙げられている。

 甚大な被害が予想される首都直下地震や南海トラフ地震では工場の生産停止や物流の寸断で食料や物資の供給が滞る恐れが大きい。国や自治体は「1週間分」を推奨しており、「ローリングストック」=自助のヒント参照=も組み合わせながら、家庭や職場で積極的に実践したい。


食料や飲料水を備蓄しない理由
食料や飲料水を備蓄しない理由

訓練参加、半数「なし」


 横浜市の危機管理アンケートでは、共助について、防災訓練や研修などの参加経験を尋ねたが、ほぼ半数の49・5%が「何も参加していない」と回答した。

 参加しない理由は「いつどこで開催されるか知らない」が最も多かった。「時間がない」「面倒」「家族が参加している」などが続いた。

 「不参加」の割合を年代別にみると、20代で80・3%に達し、30代も72・2%と若い世代で突出。一方、60代と70代以上では「自治会・町内会の防災訓練」への参加割合が過半となり、何も参加していない人を上回った。

 自治会活動の中心である高齢者が共助の担い手となっている現状とともに、若者を地域防災にどう巻き込んでいくかが、課題としてあらためて浮かんだ形だ。「自治会・町内会の防災訓練」への全年代の参加割合は41・1%だった。

 そのほかの取り組みの参加割合は「小中学校に開設される地域防災拠点(避難所)の訓練」(7・9%)、「区役所・消防署主催の講習会や訓練」(5・3%)など、いずれも10%を下回った。


防災訓練や研修に参加しない理由
防災訓練や研修に参加しない理由

自助のヒント ローリングストック
 日常的に使う食材や加工品を多めに買っておき、消費した分を買い足して一定量を常に常備しておく備蓄の方法。「食べながら備える」という考え方。長期保存が可能なアルファ米や乾パンだけに備蓄を頼ると、災害時に消費期限切れに直面しかねないことから提唱されている。ローリングストックで多めの確保が推奨されているのは、米や麺類、レトルト食品、缶詰、乾物、スープ、菓子など。少量の水で米を炊ける非常用炊飯袋やカセットコンロなども合わせて備蓄すると、加熱調理ができる。


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