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入浴中突然死相次ぐ ヒートショック防止に 浴室を「暖めて」

社会 神奈川新聞  2019年01月26日 17:00

浴室での溺死者数
浴室での溺死者数

 入浴中の突然死が今冬、県内で相次いでいる。寒暖差で体に過度な負担がかかる「ヒートショック」が主な原因とみられ、県警によると、昨年11月以降の死者数は高齢者を中心に430人を超えた。全国では年間約1万7千人が死亡しているとの推計もあり、長年研究に携わる医師は「入浴前には必ず脱衣所や浴室を暖めて」と呼び掛けている。

 ヒートショックとは、急激な温度変化が及ぼす体調への影響を指す。冷え切った体が湯船で温まると、収縮していた血管が一気に広がって血圧が乱高下するなどし、意識障害に陥って浴槽内で溺死したり、脳卒中や心筋梗塞を引き起こしたりする場合もある。

 県警の集計によると、直近5年間の浴室内での溺死者数は、毎年千人強で推移。2018年は前年より減少したものの、全体としては緩やかな上昇傾向にある。60代以上の高齢者が目立ち、11~3月の寒い時期に集中的に発生。昨年11月は106人、同12月は183人、今月は20日までに148人が死亡した。

 県内の80代男性は今冬、自宅の浴槽に沈んでいるところを妻に発見された。妻は発見の30分前と15分前の2回、男性の体調を確認していたが、異常はみられなかったという。独居の高齢者が、浴槽の水に漬かったまま遺体で見つかる事例も後を絶たない。

 多摩平の森の病院(東京都)の高橋龍太郎院長は、都健康長寿医療センター副所長だった当時、消防の救急搬送事例に基づいてヒートショックの実態を調べた。その結果、11年に全国で約1万7千人が死亡し、うち8割以上は高齢者だったと推計した。

 高橋さんは「最大の予防策は入浴前に脱衣所と浴室の温度を上げて、寒暖差を小さくすること」と指摘。暖房器具の設置が理想だが、すぐにできる予防策として、浴槽に湯を張る際の一工夫を紹介している。

 「シャワーで高い位置から湯を張ると、浴室全体が湯気で暖められる。入浴する直前の5分間だけでもいい。ドアを開けておけば、脱衣所の室温も上がる」。血圧の急上昇を防ぐため、湯温を41度以下に抑えるのも効果的という。

 高橋さんは「入浴中の突然死に正式な統計はないが、交通事故の死者数をはるかに上回っているのは事実。身近に潜む危険として認識してほしい」と警鐘を鳴らしている。


ヒートショックの予防策
ヒートショックの予防策

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