1. ホーム
  2. 時代の正体
  3. 時代の正体〈664〉米の圧力「強い日本へ」 軍事評論家・前田哲男さん(中)

専守防衛考
時代の正体〈664〉米の圧力「強い日本へ」 軍事評論家・前田哲男さん(中)

時代の正体 神奈川新聞  2019年01月26日 01:37

前田哲男さん
前田哲男さん

 政府が閣議決定した新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と次期中期防衛力整備計画(2019~23年度)にもとづき、自衛隊はどう変わるのか。軍事評論家の前田哲男さんは、米国の要望で強化されていく自衛隊の姿を指摘し、日本は「軍事大国と言わねばならない」と警鐘を鳴らす。

 -新たな大綱で、装備はどうなるのか。

 「大綱にもとづく兵器調達計画が中期防衛力整備計画。そこには必要な防衛力整備に係る金額は27兆円超をめどとするとある。莫大(ばくだい)な金額だ。陸上自衛隊ではイージス・アショア(陸上配備型弾道ミサイル迎撃システム)が入ってくる。海上自衛隊の護衛艦は5年間で10隻作るとある。前回の大綱に基づく中期整備計画では5年間で5隻だったが、倍増した。潜水艦も5隻で、1年間で1隻作る計算だ。潜水艦は長い間、定数が16隻だったが、22隻に増やす。同時に、海自はいずも型護衛艦を改造してステルス戦闘機F35Bを搭載する。航空自衛隊はステルス戦闘機F35Aを45機。グローバルホーク(滞空型無人機)の導入も、インド太平洋をにらんだものだろう」

 「インド太平洋といえば、海自は始めてタンカーを持つ。行動範囲が広がるので、燃料を遠くに運ばねばならないからだ。これまでは専守防衛だったため、そのような装備は必要なかった」

 -攻撃性は増しているか。

 「間違いない。何と言っても、離島奪還を目的に米海兵隊をモデルにした『水陸機動団』が大綱に先立ち昨年、長崎県の佐世保に編成された。現在は1500人規模だが、将来的には3千人規模に増やし、今回の中期整備計画によれば、おそらく1個連隊を沖縄のキャンプ・ハンセンかキャンプ・シュワブに配備するだろう。水陸機動団は海兵隊と同じ装備、任務を持った強襲揚陸部隊で、尖閣諸島が中国軍に奪われた際のことを想定しているというが、そのためだけとはとても思えない。攻撃的な部隊装備の最たるものだ」

 「敵地攻撃が可能な誘導弾、ミサイルをこれから開発するという。『スタンド・オフ兵器』という言葉で説明されているが、敵の脅威圏外から、アウトレンジ(相手の射程外から一方的に攻撃を仕掛ける)する。つまり先制攻撃、敵地攻撃ということにならざるを得ない。こういう兵器を配備、開発するということが専守防衛とどう調和するのか、全く分からない」

 -「自衛隊」という名称にそぐわない気がする。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら


シェアする