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神奈川と平成・みなとみらい(下) 次世代に託す未来

社会 神奈川新聞  2019年01月22日 10:13

みなとみらい(上)「モノクロの世界がカラーに」
みなとみらい(中)明治の遺産がシンボルに

 「あれが私の最高傑作」。横浜市立大学グローバル都市協力研究センターシニアアドバイザー(都市デザイン担当)の国吉直行さん(73)が示したのは、横浜・みなとみらい21(MM21)地区の新港地区にある横浜国際船員センター「ナビオス横浜」(1999年開業)だ。


通景空間を確保するため、汽車道をまたぐように建設されたナビオス横浜=横浜市中区
通景空間を確保するため、汽車道をまたぐように建設されたナビオス横浜=横浜市中区

 建物をくりぬいた独特の形状は自身のアイデアという。JR桜木町駅側に立つと、くりぬいた部分からはその先の横浜赤レンガ倉庫が望め、反対に赤レンガ倉庫側に立つと、横浜ランドマークタワーなどの高層ビル群が広がる。横浜の新旧を象徴する風景が楽しめる、遊び心あふれる演出だ。

 高層ビルが林立するMM21中央地区と新港地区を結ぶ遊歩道「汽車道」(97年供用開始)もこだわりの一つ。廃線となった臨港鉄道の線路を活用する案は、故・高秀秀信市長に1度は却下された。歩行者が滑って転ぶ危険性があるとの理由だったが、国吉さんは食い下がった。「線路を残さなければ、どういう場所だったか伝わらない」。安全な設計にすると訴えると、OKが出た。

 「思い通りにいったところもあれば70点のところもある。ただ、70点でも努力することが大事。積み重ねが街になっていく」。その一心で、都市デザインに携わってきた。
 先人の工夫や努力によって、現在の姿が形作られたMM21地区。まちづくりのルールにおいても同様だ。

 88年、MM21中央地区の地権者7者と、まちづくりの中心的な役割を果たしていた株式会社横浜みなとみらい21(現・一般社団法人横浜みなとみらい21)は街づくり基本協定を締結した。歩行者ネットワーク、人々が自由に出入りできる空間、内陸から海へと向かって建物が低くなるようにするなど「スカイライン」の形成といった基本的な考え方を示したもので、30年以上たった今も受け継がれている。

 法的拘束力はないが、「早い段階でルールが整備されたのは大きかった」と横浜みなとみらい21の事務局次長、八幡準さん(65)。進出する事業者を含め、より良い街をつくろうという空気があるという。

「横浜経済のエンジンに」



 昨年12月、MM21中央地区62街区の市有地公募で2件の提案を不採択とした。平原敏英副市長は「本当に良いと思うものだけを誘導する」と強調。「MM21地区は横浜経済のエンジンであり続けてほしい」と期待感を示す。

 昭和から平成、そして新たな時代へ-。市は2019年をピークに人口減に突入すると見込む。超高齢化などこれまで経験したことのない社会状況を迎える中、MM21地区は今後、どんな進化を遂げていくか。

 八幡さんは

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