1. ホーム
  2. 話題
  3. 多摩川改修の契機「アミガサ事件」 ミュージカルで表現

多摩川改修の契機「アミガサ事件」 ミュージカルで表現

話題 神奈川新聞  2019年01月21日 17:00

なかはらミュージカル本番に向けて練習に熱が入る子どもたち=川崎市中原区の市立上丸子小学校
なかはらミュージカル本番に向けて練習に熱が入る子どもたち=川崎市中原区の市立上丸子小学校

 地域の史実を取り上げた市民の創作劇「なかはらミュージカル GREIFEN(グライフェン)」が3月9、10日、川崎市中原区新丸子東の中原市民館で上演される。今回の題材は、105年前に多摩川の水害に苦しむ住民らが決起した「アミガサ事件」。多摩川改修事業の契機となった事件で、主催者は「人々が知恵を絞り命懸けでつかみ取った事業を、多くの区民に知ってほしい」と呼び掛けている。

 同ミュージカルは2013年、地域の魅力発信や多世代交流を目的に中原区地域課題対応事業としてスタートした。市内唯一の区民ミュージカルとして、区内の歴史などに焦点を当てて公演してきたが、今回は同事業が終了したため実行委員会(秋田律子委員長)主催の自主運営で行う。

 昨年6月に公募で集まった小学1年生~60代の区民ら74人が出演を予定。夜間や休日を使って週3回の猛特訓を重ねてきた。

 「アミガサ事件」は1914年、相次ぐ水害に困った御幸や住吉などの住人数百人が、編みがさをかぶって県庁に押し掛け、堤防建設を陳情した騒動。行政は当初動かなかったが、翌15年に有吉忠一知事が就任すると事態が一変し、道路改修の名目で現在のガス橋や市立下沼部小学校付近に2・18キロの代用堤防が造られた。住民らは建設に尽力した知事に感謝を込め、「有吉堤」と呼んでいる。

 ミュージカルの副題のGREIFENは、ドイツ語で「つかむ」を意味する。事件の中心となった郡会議員(当時)の秋元喜四郎氏の娘ら女性2人の活躍と成長を軸に話が展開していく。関東大水害の生き残りで築堤運動に参加した秋元家の使用人・環役を演じる市立玉川中2年の秋田梢さん(13)は「ミュージカルを通じてアミガサ事件のことを知ってほしい」と意気込む。

 演出家で脚本も担当する和泉さなさんは「子どもたちも演じることで教科書にはない、地域の歴史を理解できる。諦めずに頑張った民衆運動について知ってほしい」と話す。オリジナル楽曲15曲を、全編バンド生演奏で披露する点も見どころと説明する。

 各日午後0時半と同5時の4回公演(ダブルキャスト)。チケットは全席自由で2千円。1月26日午後6時半~8時半、同市民館で販売。問い合わせは、同実行委員会電話080(3469)4330。


シェアする