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【減災新聞】神奈川県内でも試み 大学軸に地域と連携

社会 神奈川新聞  2019年01月20日 01:45

地域と学校が連携する可能性を探ったシンポジウム=2018年8月、神奈川大横浜キャンパス
地域と学校が連携する可能性を探ったシンポジウム=2018年8月、神奈川大横浜キャンパス

 神奈川県内でも大学が中心となり、地域防災力の強化や実践的な対策の研究を進める動きが芽生えている。大学が連携の軸となり、住民や自治体、企業などを結び付けようとしているが、取り組みは道半ばだ。

 「災害対策は共通理解をつくる努力が欠かせない。地域連携と防災を学校経営方針のベースにしていくべきだ」。校長を務めた複数の横浜市立小学校で防災教育に力を入れた防災士の鷲山龍太郎さんが呼び掛けた。

 連携の具体的な手だてとして、東日本大震災後に制度化された「地区防災計画」の学区単位での策定を提案。そうすることで、自治会や保護者らの協力を得ながら、災害時には避難所となる学校を拠点に「災害を克服できる地域」をつくり出せると訴えた。

 昨年8月に横浜で開かれたシンポジウム「首都直下型地震・南海トラフ地震を乗り越えるための学校と連携した地域防災の力」。主催した神奈川大学大規模災害対策プロジェクトの荏本孝久教授はあいさつの中で問題意識をこう述べた。「阪神大震災以降、地域の防災活動を活性化させなければと取り組んできたが、なかなか連携が取れていない」

 自治会やNPO、災害ボランティアに学校、そして企業…。県内では、多様な主体が防災活動や被災地支援を続けているが、担い手の固定化や後継者難などの課題がある。そのため荏本教授は連携を促そうと、「かながわ人と智の防災・減災ネットワーク」も立ち上げ、各団体の違いを越えて活動の広がりや充実につなげられるよう、意見交換や事例発表の場も設けている。

 2017年12月に「防災・減災・復興学研究所」を発足させた関東学院大は、専門分野を超えた研究成果の社会還元を目指す。昨年11~12月には、担当教員による全4回の特別講座を開催。自らも登壇した規矩(きく)大義学長は「『命を守り希望を繋(つな)ぐ』がキーワード。人や社会に着目した新たな視点や施策を提言したい」と説明する。ハード対策に偏りがちだった防災や復興のあり方に一石を投じようとしている。 


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